日本の地名は世界でも稀に見るほどバリエーションが豊富。
 地名の由来を探ると、多様な地形、自然を愛でる表現性、ふるさとを思う民俗性など、この国の原点が見えてくる。


 読者のみなさんの故郷はどちらですか? 地名は・・・?
 日本人ならなぜか初対面でも話が弾む出身地・県民性・そして地名雑学‼️
 ようこそ! 地名の奥深い世界へ‼️



■アイヌ語由来の地名多数

《地名の由来》◉伊達(だて):開拓者の伊達家に由来

 明治3(1870)年、仙台藩に連なる亘理(わたり)伊達家の当主、伊達邦成とその家来たちが移住したことに由来。
 この地は当時、人が住めるような土地ではなかったが、みんなで力をあわせて村をつくり、現在の伊達市へと発展させた。



◉千歳(ちとせ):鶴は千年から命名

 古くはアイヌ語で「シ・コツ(大きなくぼ地・谷)」。
 しかし、「死骨」という不吉な言葉を連想させることから、文化2(1805)年に箱館奉行・羽太正養(はぶとまさやす)が「鶴は千年」というめでたいたとえから「千歳」に改称したとされる。



◉月寒(つきさむ):当初は「つきさっぷ」

 アイヌ語で「チ・キサ・プ(木をこすって火をつけるところ)」に由来。
 当初は「つきさっぷ」と呼ばれたが、昭和19(1944)年、難読を嫌った陸軍からの要請を受けて「つきさむ」へと読み方を変更している。



◉富良野(ふらの):十勝岳が地名に影響

 アイヌ語の「フラ・ヌ・イ(臭気をもつもの、硫黄臭い火炎の土地)」を由来とする地名。
 近隣の十勝岳が、地名誕生に大きな影響を与えたと考えられる。
 また、その地名を最初に記したのは北方探検家の間宮林蔵とされる。



◉余市(よいち):ヘビのいるところ

「ヘビが群れているところ」を意味する「イ・オ・チ」、あるいは「ユーチ」というアイヌ語が転訛した地名。
 アイヌ民族にとって、ヘビは神の使いとして畏怖されていたことから、悪い意味でつけられた地名ではない。





■「幸福駅」の由来とは?

◉もともとは「乾いた川」という意味だった

 この地は古来、アイヌ語で「乾いた川」を意味する「サツ・ナイ」と呼ばれたことから、「幸震」の字があてられ、音読みして「幸震(こうしん)」と呼ばれていた。


 では、なぜ「幸福」になったのかというと、この地域を開拓したのが移住してきた福井県の人々だったからで、「幸震」の「幸」に「福井」の「福」から地名が誕生した。





(2020年一個人5月号から

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