日本の地名は世界でも稀に見るほどバリエーションが豊富。
地名の由来を探ると、多様な地形、自然を愛でる表現性、ふるさとを思う民俗性など、この国の原点が見えてくる。
読者のみなさんの故郷はどちらですか? 地名は・・・?
日本人ならなぜか初対面でも話が弾む出身地・県民性・そして地名雑学‼️
ようこそ! 地名の奥深い世界へ‼️
■『万葉集』に歌われた「和歌浦」から
空海が開いた真言密教発祥の地だが、「高野山」という単独地名はない。提供/和歌山観光連盟" />
《和歌山県の由来》聖武天皇と豊臣秀吉が命名
現在の和歌山市の南には「和歌浦」という風光明媚な海岸が広がっているが、『続日本紀』によれば、この地からの眺めに感動した聖武天皇の命により、もともと「弱(わか)の浜」と呼ばれていた海岸が「 明光浦(あかのうら)」となり、それが「若の浦」、さらに「和歌浦」に転訛したと伝わる。
さらに、豊臣秀吉がその北側にある岡山に城を築こうとした際、南側に広がる「和歌浦」に対して、築城した岡山を「和歌山」と名づけたことから、今日の地名が生まれた。
《地名の由来》◉学文路(かむろ)古くは「禿(かむろ)」と記した
文治4年(1188年)の『高野山文書』に「禿前出口」とその起源がみえる、高野参詣の宿所。
地名の由来は諸説あるが、梅の木が多く、春先には梅の香りが満ちていたことから「 香室(かむろ)」と呼ばれ、それが変化した。
◉串本(くしもと)串状の岩が海に続く
弘法大師と天邪鬼が大島まで橋架けを競ったところ、負けそうになった天邪鬼が鳥の鳴き声をまねて邪魔をしたという伝承にある通り、当地の北には橋杭を思わせる串状の岩が続いている。この岩が地名の由来とされる。
◉九度山(くどやま)月に九度、母を見舞う
空海の年老いた母が高野山を訪ねてきたが、女人禁制のためこの地に滞在せざるを得なかった。
そこで空海がひと月に「九度」母を見舞ったことから生まれた地名。
ちなみに「九度」とは「頻繁に」という意味と解釈される。
◉御坊(ごぼう)再建された御坊さん
「御坊」とは「仏教寺院」のこと。天文9年(1540年)に建立された吉原坊舎は、天正13年(1585年)の紀州征伐により焼失するが、その後、鷺森御坊の別院として当地に再建され、「御坊さん」と親しまれたことに由来。