11月1日に、いわゆる「大阪都構想」の住民投票が大阪市で行われます。



しかし、「大阪都構想」という言葉は、正式なものではありません。



まずはこちらの写真をご覧下さい。





https://scontent-lax3-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/121104433_2901436049957319_1843937019951161793_o.jpg?_nc_cat=104&_nc_sid=730e14&_nc_ohc=Bp6EV1EQeokAX-rbGXJ&_nc_ht=scontent-lax3-1.xx&oh=d26246a8b17e824c51a73cdbdff16177&oe=5FAB0AF5



これは、今、大阪市の各戸に「選挙管理委員会」から配布されている正式の住民投票の告知資料の「表面」と「裏面」の見出しの写真です。ご覧の様にそのタイトルは「大阪市廃止・特別区設置住民投票」であり「大阪都構想」ではないのです。それどころか、この正式資料のどこを見ても「大阪都構想」の文字は見当たりません。



つまり、「大阪都構想」という言葉はただ単に、その推進派である大阪維新の会が使っている「ニックネーム」であって、その実態は端的に言うなら「大阪市廃止」なのです。それにも拘わらずマスメディアもその「推進派の維新の通称」をそのまま使ってしまっているだけなのです。



これこそ、「大阪都構想」と呼ばれるものの「真実」です。



ただし……大阪都構想を巡ってはあらゆる「デマ」と言わざるを得ない言説が世間に激しく浸透しており、こうした「真実」がほとんど一般に伝わっていないのが実態です。 



その結果、「都構想=大阪市廃止」という程度の基本中の基本の「真実」すらほとんど世間に知られていない状況にあるのです(例えば、5年前の筆者の調査では都構想とは大阪市を廃止するものだという真実を過不足なる知っていた大阪の方は、僅か8.7%でした)。https://38news.jp/politics/16764



 



■これは誠に由々しき事態……。 



そもそも「大阪都構想」という言葉は、それを字義通りに読めば「大阪を都にして、繁栄させる構想」というイメージを喚起しますが、この「呼び名」からして「デマの類い」なのであり、そして、多くの一般市民がそのデマに欺されている状況にあるのです。



そもそも住民投票で可決されたとしても大阪府の名称は「大阪都」にはなりません。

しかも大阪市を廃止したからといって大阪が繁栄する必然性などどこにも無いのです(むしろ、衰退する見通しの方が濃密なのが実態です。例えばhttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/42509)。



こんな状況での住民投票は、極めて「危険」と言わざるを得ません。ついては筆者はこの度、一人でも多くの方に、大阪都構想の中身と真実をしっかりと認識頂くことを企図して、



『都構想の真実~「大阪市廃止」が導く日本の没落~』



https://www.amazon.co.jp/dp/4899920725/



「大阪都構想」の真実~「何となく賛成」の方にこそ知って貰いた...の画像はこちら >>



を出版致しました。



筆者はこの本の中でまず以下の「事実」を詳らかに論じました。すなわち、いわゆる「大阪都構想」とは、



  ①「大阪市を廃止」して、



  ②2000億円の「財源と権限」を大阪府に吸い上げさせ、



  ③「分割」して4つの特別区をつくる行政改革



という「大阪市廃止・分割」構想だ、という「事実」です。つまりそれは比喩で言うなら



「大阪市という会社を潰して分社化して、親企業(大阪府)に組み入れる」 



という種類の構想に過ぎないのです。その結果、行政サービスレベルは下落する他ありません。



そう考えれば、「大阪都構想=大阪市廃止・分割構想」は、大阪市民にとって、論外の代物」以外の何ものでもないという実態が浮かび上がって参ります。それは、横浜市を廃止解体して神奈川都をつくろうとか、神戸市を廃止解体して兵庫都を作ろうというような話と全く同じなのです。そんな構想、まともな神戸市民や横浜市民にとっては文字通り「論外」の代物でしかありません。



にも関わらず、こうした都構想=大阪市廃止に拘わる実態は、推進派の特定政党からの情報提供は言うに及ばず、正式の行政の説明会でもほとんど説明されていないのが実態です。

(例えば、厳密な検証論文としてはコチラを参照下さい。https://policy-practice.com/db/2_5.pdf



これは極めて深刻な問題です。例えば米国の証券取引法では「記載につき誤解を避けるために必要な重要事項の記載を省略すること」それ自身を「詐欺」と定義しているのですが、この定義に従うなら、この大阪市廃止・特別区設置の住民投票を「大阪都構想の住民投票」と呼称し、大阪市廃止について言及しないのは、「詐欺」と言わざるを得ません。



にも拘わらず、こんなに深刻な疑義のある住民投票で大阪市民がその「リスク」ほとんど知らないままに、それを受け入れるような結果となってしまったとしたら―――日本の民主政治は激しく劣化することになるでしょう。そしてそうした民主政治の劣化は、確実に日本の国益を大幅に毀損することになるでしょう。



(※ 例えばこちらもご参照くださいhttps://foomii.com/00178/2020100923194371779



だからこそ、こうした最悪の悪夢を回避するために今、最も求められているのは、



『都構想の真実』https://www.amazon.co.jp/dp/4899920725/



 を大阪市民を含めた一人でも多くの国民が認識することなのです。



11月1日の投票日まで、時間は限られています。それまでの間に、一人でも多くの方が「都構想の真実」を認識し、その上で、大阪市民の理性的かつ冷静な判断下されんことを、心から祈念したいと思います。 



PS1:この「大阪市廃止」問題、いわゆる「大阪都構想」の問題については、語るべき論点が山のようにあります。ついては、引き続き本メディアを通して11月1日の投票日まで、当方の学者としての所見を様々に公表し続けたいと思います。



PS2:その一環として既に公表した記事として、下記ご紹介さし上げます。ご関心の方はぜひ、ご一読ください。



『なぜ、大阪では「大阪都構想」が人気なのか?』



https://foomii.com/00178/2020092711350871308

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