「大切な人の自死」を本にした意味。随想録『逝ってしまった君へ』の反響から見つけた、悲しみとの向き合い方【あさのますみ】

声優・浅野真澄(文筆家名義・あさのますみ)が体験した「大切な人の自死」。喪失して初めて気付いた「あの人の存在」の大きさ。絶望と大きな悲しみのなかで、あさのますみは言葉を紡ぎ、『逝ってしまった君へ』(小学館)を上梓した。刊行後、多くの読者から寄せられた共感と感動の声に著者あさのますみは何を感じ、思いをめぐらしたのだろうか? 彼女の綴る真摯な言葉には、人生の矛盾と葛藤を生きるための「勇気とヒント」が、じつに豊かに満ちている。





「私も、身近な人を自死で亡くしているんです」



「実は、もう消えてしまおうと真剣に考えていた時期があります」



 この2ヶ月、多くの人から打ち明けられた言葉だ。



 2021年6月。私は、随想録『逝ってしまった君へ』を上梓した。



 学生時代から付き合いのあった友人が、鬱を患い、ある日突然自ら死を選んだ。連絡を受けた日から、告別式、遺品整理など、そのとき起きたこと、感じたことをなるべくありのまま書いた。友人との思い出や、かつて交わした言葉、遺書に書かれたメッセージ、私自身の過去についても、ありていに綴っている。



 たとえ多くの人の心には刺さらなくても、もしかしたらどこかに、ここに書いたことを必要としている人がいるかも知れない。そういう人に届けばいい――そんな思いだった。それは、友人を失ったあと私自身が、自分の痛みや喪失感についてなかなか周囲に話せず、言いようのない孤独を感じたからでもあった。経験を言葉にすることで、誰かの気持ちをほんのひと時でも軽くすることができたら、と思ったのだ。

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