労働者を使い尽くす「ブラック企業」はなぜなくならないのか【宮台真司】

労働者を使い尽くす「ブラック企業」はなぜなくならないのか【宮台真司】
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社会学者・宮台真司が、旬のニュースや事件にフォーカスし、この社会の〝問題の本質〟を解き明かした名著『社会という荒野を生きる。』がロングセラーだ。天皇と安倍元総理、議会制民主主義、ブラック企業問題、感情の劣化とAI、性愛不全のカップルたち、承認欲求が肥大化した現代人の不安……etc. 「我々が生きるこの社会はどこへ向かっているのか?」「脆弱になっていく国家で、空洞化していく社会で、われわれはどう生き抜くべきなのか?」。まず社会の問題の本質を直視し、理解すること。そのうえで冷静に物事を判断するための智恵が必要だ。「明日は我が身の時代」を生き抜くための処方箋に満ちた本書から本文を一部抜粋連載して公開する。第2回は「労働者を使い尽くす『ブラック企業』はなぜなくならないのか」。







■「ブラック企業」問題を切り分ける必要



 「ブラック企業」という言葉がインターネット上で使われ始めてから、随分時間が経ちました。その間、非正規雇用者がますます増えてきました。そんな中で、この「ブラック企業」という言葉が指し示すべきものも、ずいぶん変わってきてしまっているんです。



 だから「ブラック企業」という言葉で一括りにされると、問題の切り分けが難しくなってしまいがちです。実際、何が問題なのか見通しが利かなくなっていると思います。まずは、そのあたりから整理をさせていただき、根本的な処方箋を提案いたします。



 最初に「ブラック企業」の存在が世間的に大きな話題になったのは2008年の「ワタミ」事件[2008年、ワタミフードサービスに就職した女性が、入社後わずか2カ月で自殺。残業時間は1カ月で140時間にも及んでおり、女性の自殺は過労による労働災害であると正式に認定された]がきっかけです。これは「正社員の終身雇用制を前提とした、サービス残業による長時間労働の強制」でした。これは全体的問題の一部に過ぎません。

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