■2022年TOEIC®Listening & Reading Test世界の国別平均スコア発表「日本は561点」で29位
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は2023年6月29日、2022年の世界におけるTOEIC®Listening & Reading Test(以下、TOEIC®L&R)の受験者スコアとアンケート結果を発表した。
トータル平均スコアの1位はドイツで990満点中823点。
■TOEIC® L&R国・地域別平均スコア(2022年)
国・地域名
トータル平均スコア
国・地域名
トータル平均スコア
ドイツ
823
チリ
633
レバノン
804
ギリシャ
623
イタリア
773
カメルーン
609
ベルギー
771
ベナン
587
フィリピン
749
コートジボワール
585
スペイン
749
台湾
568
コスタリカ
729
ブルキナファソ
561
モロッコ
717
日本
561
チュニジア
717
レユニオン
558
フランス
702
アルバニア
556
ペルー
690
メキシコ
555
ヨルダン
686
セネガル
549
ブラジル
675
中華人民共和国
548
韓国
675
ベトナム
538
マダガスカル
673
ガボン
533
エジプト
670
モンゴル
531
ミャンマー(旧ビルマ)
668
香港
52
コロンビア
666
タイ
526
ポーランド
663
コンゴ共和国
515
アルジェリア
660
インドネシア
472
マレーシア
647
TOEICは、英語のコミュニケーション能力を判定する世界共通のテストであり、世界160ヵ国、14,000団体で実施されている。聞く・読む・話す・書くなど、4種類の英語力を測るテストがあるが、今回のスコアはその中でも広く知られている「TOEIC®L&R」、つまり「英語を聞く力・読む力」を測るものだ。2022年度の日本におけるTOEIC®L&R受験者数は約197万人にのぼっている。
■TOEIC®L&R受験者は若年層が英語学習や就職活動のために学習している
最も受験者が多い年齢は、21~25歳で44%、次いで20歳以下が21%、26歳~30歳が15%と若年層の受験割合が高くなっており、性別による大差はほぼなかった。
■年齢別平均スコア
受験者割合(%)
リスニング
リーディング
トータル
平均
(SD)*
平均
(SD)*
平均
(SD)*
年齢
26~30歳
14.9
363
(90)
302
(103)
664
(184)
31~35歳
7.2
350
(95)
294
(105)
644
(192)
21~25歳
44.1
341
(95)
279
(106)
620
(193)
46歳以上
5.2
333
(96)
283
(105)
616
(194)
36~40歳
4.6
335
(97)
280
(105)
614
(194)
41~45歳
3.4
330
(96)
277
(105)
607
(194)
20歳以下
20.6
296
(99)
231
(105)
527
(196)
※SD=標準偏差
■性別平均スコア
性別
女性
48.8
343
(96)
277
(107)
621
(195)
男性
51.2
326
(99)
270
(108)
597
(199)
※ 2022 Report on Test Takers Worldwide|TOEIC® Listening & Reading Test
日本では、76%がTOEIC®L&Rの受験経験があると回答しており、3回以上受けている受験者も少なくない。とはいえ、「日常生活において英語を使用する割合はどのくらいですか」という質問に対し、43%が「1割以下」と答える結果となった。
TOEICを受ける目的は「英語学習のため」が最多の29%、「卒業に必要なため」28%、「就職活動のため」24%となっており、自身のスキルアップや、就職・転職を有利にするために学習し、受験していることがうかがえる。また、「昇進・昇格のため」という回答も見られた。
驚くべきは英語学習期間だ。「10年超」が47%、次いで「6年超~10年」が33%、「4年超~6年」10%と、実に全体の80%以上の受験者が6年以上の英語学習経験があると回答。
■英語学習期間別平均スコア
英語学習期間
10年超
46.9
366
(87)
311
(101)
677
(180)
6年超~10年
33.3
312
(90)
254
(98)
566
(180)
4年超~6年
10.3
291
(95)
228
(99)
519
(186)
4年以下
9.5
279
(96)
215
(100)
494
(188)
「聞く・読む・話す・書く、4つの英語技能のうち最も重要視する技能はどれか」という質問に対しては、全体の22%が「4技能すべて重要視している」と回答しており、平均スコアも高い結果となった。
■履歴書でアピールできるTOEICスコア目安は600点以上
TOEICスコアを履歴書に書ける目安は、600点以上といわれている。600点は、「簡単なビジネス英語が理解できる」「連絡事項について口頭やメールでのやりとりができる」レベルに相当する。
外資系企業など英語を使う仕事に就きたいと考えている場合は、700点が最低ラインとされており、より難易度が上がる。700点以上とは、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる力を備えている」レベルを指す。
参考: TOEICスコアとコミュニケーションレベル相関表|IIBC
近年は、大企業をはじめ、中小企業でも英語を話せる人材が求められるようになってきている。今後TOEICは、英語力を測る指標として、あるいはアピールするスキルとして、ますます需要が高まっていくだろう。
文:太田えり子