プロ野球は阪神タイガースが38年ぶりの日本一を達成し、オフシーズンに突入した。12球団が来年の優勝を目指して、準備をしている。
2021年秋に「ミスタードラゴンズ」と呼ばれた立浪和義が監督に就任して2シーズン戦ったが、2年連続最下位という結果に終わった。シーズン中に来季の続投が決まると一部の中日ファンが猛反発。試合後のセレモニーで、「今年のドラゴンズの成績と私への批判、不満。これをしっかりと受け止めて、秋から再出発します。私には若い選手を一人前にするという責任があります。そして来年、生まれ変わったドラゴンズを皆さんにお見せできるよう秋から全力で頑張って参ります。来年、期待して下さい」と立浪監督が語るも、スタンドからは「辞めろぉー」「うるせぇー」といった怒号とブーイングが飛び交う異常事態に陥った。
立浪監督はどうしてここまでファンから嫌われてしまったのか? この2年間の戦いぶりと来季の展望について語ってみたい。
■「再建の切り札」とまで言われて監督に就任した立浪
中日ドラゴンズは落合博満氏が監督を退いてから成績が低迷。
「私に与えられた使命はチームを強くする、そして一人でも多くのファンの方に球場へ足を運んでもらえるような、魅力あるチームを作っていきたいと思います」
立浪は就任会見でこう語った。そしてチームづくりについて聞かれると
「今年は投手陣が良かったと評価されていますが、野球はピッチャーが試合の8割を占めていると思っている。もう一度投手陣の整備をしっかりして、センターラインを固めた、守り勝つだけではいけないのですが、そういった野球ができるように。打つ方は1年間本当に打てないと言われましたけれども、必ずなんとかします」
与田氏が整えた投手陣を中心に守りを固めていく野球を挙げた。弱点の打撃陣は「なんとかする」と断言。ファンの期待は膨らんだ。
■ドランゴンズ監督初年度から俄然迷走で大ブーイング
2022年のペナントレースでは、本拠地の開幕戦で3連敗を喫すると6試合で1勝5敗。その後も苦しい展開が続くとほころびはグランドからすぐに現れた。当時チームの中心選手であった京田陽太が5月4日のDeNA戦で試合途中にも関わらず監督から名古屋へ強制送還された。
「まったく精彩がない。
立浪監督は京田を糾弾。翌日には4番のビシエドにも「打撃のスタイルを変えてくれないと」とボヤいた。
そんな中で不可解な人事が起きる。交流戦が始まる5月23日に当時一軍打撃コーチだった中村紀洋が二軍打撃コーチへ配置転換となった。代わりは二軍打撃コーチの波留敏夫である。立浪監督は理由について「内輪の話。ノリに問題があったわけじゃない」とだけ語り、詳細はわからずじまい。一部からは中村紀洋コーチが球団の育成プログラムを無視して、期待の若手である石川昂弥や根尾昂を指導したからと噂された。
成績は伸びる要素がなく前半戦で12の負け越しをして最下位。後半戦も低空飛行のまま6年ぶりのビリが決定した。就任時に守りの野球を掲げながら、守備の中心である京田をレギュラーから外す荒業は迷走の現れだったといえる。京田はこの年のオフに横浜DeNAにトレードされた。
■異様な采配でファンも怒りを爆発させた「立浪監督の2年目」
昨シーズンオフに京田の他、チーム打点王だった阿部を楽天にトレードし、代わりに涌井秀章を獲得。打撃陣はテコ入れとして新外国人選手が4人加入し、現役ドラフトで横浜DeNAから細川成也が入団。総勢17人に戦力外通告を行って血の入れ替えを断行して今シーズンの戦いに臨んだ。
シーズン前に行われた練習試合で侍ジャパンに勝利して期待をもたせたが、開幕から低空飛行。4月終了時点で最下位になると東京ヤクルトスワローズとビリ争いを続けた。
8月25日バンテリンドームナゴヤで行われた横浜DeNAとの一戦。2-8で迎えた9回に投入したのが左腕の近藤廉。その起用に注目が集まった。
この日、近藤が1イニング10失点、62球を投じても交代させなかった。しかしバンテリンドームに残ったドラゴンズファンは近藤に声援を送り続けた。異常な光景がグランドで広がる中、62球目にようやくスリーアウトを取ってベンチへ戻るとスタンドから温かい励ましの拍手が起こった。しかしベンチで出迎えたのは後藤駿太だけ。
この采配にドラゴンズファンの怒りが爆発。SNS上で立浪采配への批判の声が殺到した。対戦相手だった横浜DeNAのトレバー・バウアーも自らのYouTubeチャンネルで「彼にとって今年初めての登板だった。この回で60球以上投げた。本当にかわいそうだと思った」と同情の声を寄せるほど。当の立浪監督は報道陣に対して「最後、近藤のところは気の毒だけど、勝ちパターンしか残っていなかった。酷なことをした」と説明するだけにとどまった。
8月末には「令和の米騒動」と揶揄された試合前の食事で米の提供禁止が話題になった。夕刊フジで報じられた記事によると、一部選手が試合前に米を抜いたら調子が戻ったと聞いた立浪監督が白米を出すのを禁じたという。これに守護神のマルチネスが反発して投手陣には米禁止が即座に撤回されたそうだ。この報道で立浪ドラゴンズの内部はガタガタなのが明らかになった。
■立浪監督では来年も中日は最下位のまま?
これだけ内部崩壊していては勝てるはずがない。立浪監督はオーナーへの報告で「自分も2年間やらせてもらって、いかに選手をもっとやる気にさせる方法はなかったのかなという、そこが一番の反省点かなと思ってます」と語った。しかし道のりは厳しい。現時点では来年も最下位の可能性が高い。
第一に最下位になった理由の一つに「失策の多さ」がある。チーム全体の失策数は79と優勝した阪神タイガースよりも少ないが、二遊間の失策は28でリーグワーストを記録。三塁の石川昂弥もチームワーストの15失策と内野陣の守備に問題があった。Aクラス入りした2020年の失策数が56なので守備の崩壊が順位を下げた要因といえる。京田、阿部とセンターラインを守れる選手を放出したツケが出た格好だ。センターラインのレギュラーはセンターの岡林だけ。セカンド、ショートで定位置を取れる選手は現時点でいない。
次に残って欲しいコーチが次々と退団したこと。
最後は立浪監督自身である。厳しい態度でチームを引き締めたいのだろうが、恐怖支配になっている可能性が高い。先述した近藤晒し上げがその象徴といえる。あの時コーチ陣は誰一人マウンドへ行かなかった。内野手が集まったのは一度だけ。一塁の宇佐美が9失点した後に近藤を励ましたが、それ以外は誰も来ていない。あまりの酷さに抑えのマルチネスが「可哀想だから俺が代わりに投げる」とコーチに進言するほど。それだけチームは壊れていた。
近藤の件について元ロッテの里崎智也氏は自身のYouTubeチャンネルで批判。
「近藤投手が次投げるときにトラウマになるかもしれないから代えてあげないとダメ」
このように語り、立浪采配を切って捨てた。中日OBの英智氏は翌日に近藤を登録抹消したことについてこのように述べている。
「二軍に落とすんだとしたら、もう1回ぐらい一軍で登板させて抑えて、『お前はこういうピッチングもできるんだぞ。二軍でコンスタントに出せるように頑張ってこい』という送り出し方をしてあげてたら心配ないと思うんですけど」
チャンスを与えなかったことに対して疑問を呈した。
立浪監督は故・星野仙一氏の下で野球をしていたのでその影響を受けたと言われている。選手への厳しい態度は星野氏から学んだらしい。しかし星野氏はミスをしたり、怒鳴ったりした選手にもう一度チャンスを与えていた。これは中村武志氏や山本昌氏も異口同音に口を揃えている。もし星野氏のようにやるならば、アメとムチの使い分けをしないと上手くいかない。
しかし批判の矢面に立っている当の本人は来季についてこんな発言をしている。
「我々も変わるけど、選手ももっと意識を高め変えていこうと。やはり選手を見ていて、やっぱり負けたときに、本当に悔しさを持って反省して、やっぱり次の日に臨んでいかないと、強いチームにはなっていかないと思います」
選手に意識を高めてほしいと言うならば、それ以上に自身の采配について反省して変わったところを見せるのが先だろう。真っ先に変わらなければいけないのは立浪監督自身である。残念ながら「名選手、名監督にあらず」を地でいく立浪。このままだと増えるのは高橋周平の三振の数くらいだ。
しかしこういう組織のリーダーっているよね、どこにでも。人の心がまったく読めないから優秀な人はどんどん離れていく。自業自得哉。
文:篁五郎
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