歴史捏造がお得意の〝転載作家〟百田尚樹の暴言が止まらない。そんな党首率いる「日本保守党」とスピリチュアル系神谷の「参政党」が対立をはじめた。
■転載作家の末路
「気づいたときは手遅れだった」というフレーズがぴったり当てはまるのが今の日本ではないか。ここまで国や社会が壊れると、修復のしようがない。ここのところ、社会のダニが、政党をつくって「公金チューチュー」を狙う動きが活発になっているが、これも国家の衰退と人心の荒廃の結果だろう。
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ユーチューバーの百田尚樹が「ふと思う… わしみたいな天才作家が、政治みたいなクソくだらんものをやっていていいのか、と。その時間、執筆に費やしていたら、後世に残る傑作をどれだけ書けることか」とツイートしていた。
ふと思う… じゃあ、その「クソくだらんもの」にたかろうとする百田は蠅か蛆虫だな。
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「天才作家」というのも意味不明。「転載作家」の間違いだろう。
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この連載でもかつて指摘したが、皇室の「男系」の説明もデタラメだし、内容も支離滅裂。織田信長は「一向一揆鎮圧の際も女性や子供を含む2万人を皆殺しにしている。これは日本の歴史上かつてない大虐殺である」と述べる一方で、「日本の歴史には、大虐殺もなければ宗教による悲惨な争いもない」。矛盾をツイッターで指摘されると、百田は「そういう文学的修辞が読み取れないバカがいるとは思わなかった」と返答。フランシスコ・ザビエルとルイス・フロイスを間違えていた件に関しては「どっちにしても外人や」。
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口を開けば「日本の歴史」「保守」がどうこうと言うが、歴史の知識はデタラメだし、安倍を保守と誤認している時点で、保守思想を理解しているとは思えない。こうして歴史は捏造されていく。自国の歴史を歪めることをビジネスとしている連中が保守政党をつくるって、悪い冗談にしても程がある。とっとと解党を。
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ビジウヨ、陰謀論者界隈が、内ゲバを始めたようだ。これは悪い傾向ではない。参政党は定例会見で、党外部アドバイザーの武田邦彦が事実と異なる情報の発信や百田の日本保守党の動画番組に出演して党を批判したなどとして、アドバイザー辞任と党籍抹消を勧告。一方の武田は「国民に厳粛な信託を受けた我々ですから、必ず参政党がどういう状態かはそのまま言わないといけない。事実のレベルがあまりに低い」「僕が見間違った。国民に、僕たちが間違った参政党を言ってしまったことに反省。ひどい人には近づかないということですね」などと述べていた。
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参政党の共同代表だった吉野敏明は「小麦とはメリケン粉、つまりアメリカから来た粉ですから、戦前の日本には存在しませんでした。メリケン粉を食べるようになってから、日本人のがんが増えているわけです」などと述べている人物だ。代表の神谷宗幣もスピリチュアル系。街頭演説では「香川県だったらうどんを食べるとか、大阪、広島ならお好み焼きとかね。あれ全部戦後です。
■維新の金脈、妖怪ミャクミャク
われわれは危殆(きたい)に瀕しているのではない。すでに崩壊後の社会で暮らしているのだ。維新レベルの犯罪もよく耳にするようになった。東京・世田谷区で深夜1人で歩いていた女性に「飲みに行こう」「家はどこ」などと声をかけ、数分にわたりつきまとったうえで、女性の服に手を入れるなどして胸や尻を触った疑いがもたれている会社員の久保貴之容疑者。調べに対し久保は「女性の体を触ったが、もんではない」と供述しているという。維新の井戸正利が女性の胸を触っている写真が週刊誌に流出した際の弁明。「胸を触ったのは事実です。でも揉んだわけではない」をそのまま踏襲している。
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福岡県警の20代の男性巡査長が、熊本市内の駐車場や路上で女性に下半身を露出したとして、書類送検されたが、これでは女子高生3人に向かって下半身を露出し、公然わいせつの疑いで現行犯逮捕された日本維新の会東京1区支部長で衆院選の公認候補だった赤坂大輔レベルである。
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東京維新の会は、4月の東京都江東区議選の期間中に公認候補が有料のインターネット広告を流していた、と発表。
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「ミャクミャク」はマンホールの蓋のデザインにもなっていたが、下水道に生息しているのだろうか。大阪のアンダーグラウンドから立ち上ってくるあらゆる汚いものを象徴している妖怪にも見える。悪臭、悪意、ルサンチマン……。汚辱にまみれた万博もとっとと中止したほうがいい。万博の中止を決めた場合の補償額の上限は、現在約350億円。これは物議をかもしている万博の大屋根(リング)の建設費とほぼ同額だ。だったら、補償額が跳ね上がる前に中止を決めたほうがいい。
文:適菜収