自民党和歌山県連主催「青年局近畿ブロック会議」での半裸女性のダンスショーが炎上したかと思えば、今度は「自民党埼玉県連青年局」のSMパーティー写真が流出。デジタル相・河野太郎の偽アカウントのほうが本人より信用される世の中とはいったい何なのか? お笑い日本政界の恐るべき現実を見よ!『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』の著者・適菜収氏の「だから何度も言ったのに」連載第60回。





■自民党が日本に残した絶望



 自民党元幹事長の二階俊博が次の衆院選に出馬しない意向を固めた。で、老衰で死んですべてうやむやという、いつものパターンですかね。こうした連中が日本に残したのは絶望とカオスだけ。



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 自民党和歌山県連主催の青年局近畿ブロック会議に、露出度の高い衣装を身につけた女性ダンサーが呼ばれていた件。今度は、自民党埼玉県連青年局の県議らがSMパーティーに耽る様子を撮影した写真が出てきた。AKB48の衣装コスプレを身に着けた田村琢実埼玉県議が、パンツ1枚で亀甲縛りされた同僚の県議を弄びながらカラオケをしている。

岸田はダンスショーについて「極めて不適切であり、誠に遺憾であるとしっかり申し上げなければならない」などと言っていたが、もはや縛りがきかなくなってきた。



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昔作った小噺。



女王様「あなたSなの? Mなの?」



客「Lです」



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 デジタル相の河野太郎の名を語った偽アカウントがあるという。そこには「ファンの皆さんに一名投資先生をお勧めします。最近彼が共有している株はすべて良い収益を上げていますよ。そして、料金はかかりません。

お勧めの株も必ず上がる株です。彼について操作して利益を実現しました」などと記されている。河野は「偽アカウントです。みなさま通報のご協力よろしくお願いします」と投稿していたが、河野本人より偽アカウントのほうが信用できるような現状はやはりよくないね。河野の場合、確実に自民党の「株をさげている」からだ。



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 政府は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の日本から第三国への輸出を解禁する方針を閣議決定した。

あほくさ。支持率20パーセント台の政権が、国会も通さずにどさくさにまぎれて閣議決定。もうカオス。



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 参議院議員の小西洋之はこう投稿。



 《明確な憲法違反です。私の3・21外防委質疑の結果



・政府与党は前文の「全世界の国民の平和的生存権」との関係を何ら検討していない



・英伊にも憲法の平和主義を何ら説明していない



・侵略戦争でも日本は使用を止めない



・輸出理由の日本側が獲得できる具体的な機体性能は政府与党で議論すらしていない》



 《木原防衛大臣は日本が輸出した戦闘機が国際法で認められている自衛権行使に使われても、日本国憲法の平和主義との関係で問題は生じないと答弁しているが、これは嘘です。



なぜなら政府は既に「武力紛争をしている国への殺傷兵器の輸出は憲法前文の全世界の国民の平和的生存権で不可」と答弁している》



 これはまったくその通り。



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 日本共産党政策委員長の山添拓も声明を出していた。



 《一、政府・与党は次期戦闘機輸出には「三つの限定、二重の閣議決定」で歯止めを主張するが、およそ通用しない。「輸出するのは次期戦闘機に限る」というが、強力な殺傷能力を持つ最新鋭戦闘機を可能にして、その他は輸出できないという理屈は成り立たない。「輸出先は日本と『防衛装備品・技術移転協定』を締約している国に限る」としているが、現在15カ国と結んでいるこの協定は、国会の関与もなく政府の一存でいくらでも増やすことができる。「現に戦闘が行われている国は除外する」とするが、日本が輸出した後に戦闘を開始する事態は十分あり得る。

加えて、閣議決定を二重に行ったところで、国民と国会に諮らず、政府・与党の密室協議で進めることに他ならず、なんら歯止めにならない》



 《一、政府は、第三国への輸出について「市場が大きくなり効率化する」などと、販路拡大でコストを安くし、多売により儲けを増やす――まさに「死の商人」の論理を露骨に表明した。軍需産業の儲けのためなら命の犠牲もいたしかたない、国際紛争を煽り立てて「経済の糧」にすると言っているに等しく、「死の商人国家」への堕落である》



 これもその通り。なし崩し的に、日本は堕ちていくのだろう。





■戦争末期の日本軍と同じ



 国は破壊され、臭気が漂っている。その惨状の縮図が東京15区補選である。もはやゴミ溜め。

そもそもこの補選、江東区長選を巡る公選法違反の罪で懲役2年、執行猶予5年を受けた柿沢未途の辞職に伴い実施されるもの。そこに乗り込んだのがIRを巡る汚職事件で実刑判決を受けた元衆院議員の秋元司。犯罪者の後釜を狙うのが被告人というカオス。



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 陰謀論者が集まる政党、エセ保守の政党、デマ屋の政党も候補者を出している。一部で山師の小池百合子が〝死に体〟の岸田と裏で取り引きをして、総理の座と引き換えに15区から出馬するという憶測も出てきた。小池といえば「7つのゼロ」の公約もほとんどデタラメ。達成ゼロ。実現ゼロ。知性もゼロ。責任感もゼロ。百田尚樹と組んで「永遠のゼロ」という漫談をやればいい。



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 メディアも壊れている。産経新聞が大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」に万博協会の職員を通してインタビューを行ったとのこと。



 産経新聞「万博をめぐっては海外パビリオンの建設準備が遅れている」



 ミャクミャク「きっと大丈夫」



 もうカオス。



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 大事なことなので何度も同じことを書く。万博を中止した場合の違約金は、4月13日以降は2倍以上の約844億円に膨れ上がる。もう無理なのだから、やめるなら今。ここまで来たらやめられないというなら、戦争末期の日本軍と同じ。



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 立憲民主党がこの千載一遇のチャンスに党勢を拡大できないのは、変なのが内部に交じっているからだ。野田佳彦はテレビ番組で、次期衆院選に向け日本維新の会との候補者調整を提唱。「地域的に強い弱いがある。すみ分けは仕方がない」とし、関西を維新、関東を立民で調整すれば「接戦区でも自民党に勝てるかもしれない」だって。自民がダメだから維新に投票というのは愚の骨頂。自民をさらに腐らせたのが維新である。野田、相変わらずのダメ人間。維新がどのような集団なのか知っていて言ってるなら悪質だし、知らないならただのバカ。



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 野田はテレビ番組で岸田について「愛想が尽きた感が極まっている」「私だったら耐えきれない状況だ。そこは『異次元の鈍感力』と言うか、わりと平気」と発言。「異次元の鈍感力」はそのまま野田にも当てはまる。耐えきれないのは国民である。



 



文:適菜収