■倒産が過去最多に
東京商工リサーチによると、2024年の「経営コンサルタント業」の倒産が154件(前年比7.6%増)と過去最多を記録した。原因別では6割以上が「不況型倒産」だという。
軽い気持ちで「コンサル、カッコよくね?」と憧れている学生たち、コンサル業界に片足を突っ込んでしまった若手には今一度立ち止まって考えてみてほしい。
コンサルは近年一流大学のエリート学生がこぞって目指す、人気職種になっている。何と言っても、平均年収947.6万円(※厚生労働省データ、経営コンサルタント年収)という高給にひかれる。しかし、実態はグラデーションがあり、外資ではない中小のコンサルティング企業だと「人より少し収入が良い」というレベルなのだとか。
何より実務能力が身につかない。大手コンサルティング企業の多くが、実質的にはITシステムの導入支援を主力事業としており、「戦略コンサルタント」という肩書きは形骸化している。要はエンジニアに毛が生えたレベルの業務しか任せられないことも多いのだ。
■転職してアルバイト管理役に
「うちの会社では、コンサル出身者は使えなくて、すぐ辞めると評判でしたよ」と声を潜めるのは、某IT企業の元社員。
「役員待遇で、コンサル会社から何人も引っ張ってきたのですが、ことごとくダメでした。入社初日に『これからこの会社のロードマップを示します。
結局、件の元コンサルは居場所がなくなりすぐ自主退職に追い込まれてしまったという。短期離職で転職市場に放り出された元コンサルに声をかける企業はあったのだろうか。
また、生き残りをかける40代コンサルタントは、いま中小企業のM&A仲介業務に逃げ込んでいるとも聞く。「戦略のプロ」を謳っていた彼らが、マッチングに精を出す姿は、まさに“キャリア迷子”ではないか。
取材・文:BEST T!MES編集部