一気に暖かくなり、薄着で街を歩く人も目立ってきた。冬太りで体形を気にしている人、また季節がわりで疲労感に悩まされている人はいませんか? 美容と心の健康の結び付きを日々研究している美容家・安藤遥夏さんに冬太りと疲労感の解消法を聞いた。
――安藤さんは長年にわたり、美容の専門家として、さまざまな施術等に携われてきたと思いますが、外面も内面(ポジティブ)で美しい人に共通する生活習慣はありますか?
「長年サロンを運営し、様々な方に美容アドバイスをさせて頂く中で、特に内面も外面も素敵な方に共通している事は食生活です。意識せずとも、本当に体に良い物や美容効果の高い物を率先して摂取する事が習慣化しているのです。これは、常に自分の身体の声に耳を傾けているから、自分自身のちょっとした変化に対しても、敏感なんだと思います。少しの不調や変化でも敏感にキャッチする事で、自然と身体が欲している物を摂る習慣が形成されて行くのだと思います。そして、食べ方についても、1度に沢山の量を食べず、様々な種類のものを少量づつ召し上がる傾向にあります。これは、食事について、ただ食欲を満たすための行為ではなく、楽しむ目的としている方が多いと言うことでもあるのだと思います。ご友人やご家族などで、ゆったりとした食事の時間を楽しんでいる方は、基本とても健康で美しいですね。よく笑いよく食べる。これは、昔から言われておりますが、実際に美しい方に共通して言える事だと思います」
――体作りの基本は、まずは食だと思うのですが、冬太りを解消するために積極的に取ったほうがいい春の食材はありますか?
「やはり、旬の食材を食べることは、非常に理にかなっていて、例えば、いまの季節だと、アスパラガスは、カロリーが低く、ビタミンB群やミネラルが豊富です。代謝を助け、脂肪燃焼を促進する作用もありますし、新玉ねぎのおすすめ食材のひとつ。甘みが強く、生でも食べやすいです。抗酸化作用があり、体の代謝をサポートしてくれるため、ダイエットにも適しています。
――入浴と睡眠について。多忙で睡眠不足の女性も多い。美肌をキープするためには、質の高い睡眠が欠かせないと思うのですが、どうすればいい?
「入浴のポイントは、自律神経を整える、具体的には副交感神経を優位にして、リラックスモードに切り替えることが重要です。メンタルの安定から睡眠の質が上がります。就寝の直前に入浴することはなるべく避けるようにして、熱すぎない38℃から40℃でゆっくりと入浴してください。その際に、ミネラルが豊富でゲルマニウム浴の効果が得られるエプソムソルトやスイス発祥のハーブ療法専門のポールシェリーバスオイルなどを湯船に入れると、より効果が高まります。保温効果も非常に高く、循環促進し代謝アップにも繋がるため、肌細胞も活性化し、美肌にもとても効果的です。そして呼吸にもポイントがあります! 呼吸法は、主に2種類あり、鼻から吸い口から吐く。鼻から吸って鼻から吐く。どちらもヨガなどの呼吸法として皆さんもよく耳にすると思います。この2種類、実は少し用途が変わって来ます。よりリラックスしたい時は鼻から吸って鼻から吐く呼吸法をゆったりと試してみて下さいね。
――睡眠の質を高める、おすすめのストレッチがあれば教えてください。
「デスクワークなどで1日の終わりには、体は凝り固まっています。肩甲骨を解すストレッチがオススメで、ご自宅にストレッチポールがあれば、ポールを背筋に添わせ縦向きに置き、その上に仰向けになり両腕を広げ脱力したまま1分間キープ。次に両腕を耳横に上げ、そのまま床に添わせながら、腰横に戻る。これを×5セット。無理の無い範囲で肩甲骨を動かす事を意識しながらゆっくり行ってみて下さい。ご自宅にストレッチポールが無い方はバスタオルを2枚重ね縦長に丸め背筋に置いて代用頂いても構いません。これだけで肩甲骨周りの凝りはほぐれます。肩甲骨周囲には、褐色脂肪細胞という「痩せる細胞」が集中しています。肩甲骨まわりのストレッチを行うことで、肩こり改善だけでなく、脂肪燃焼効果が高まり、自然と痩せ体質になります!
次に股関節のストレッチです! 下半身に下りた血液を戻してあげましょう。放置してしまうと寝ている間に腰周りが固まり腰痛や浮腫を引き起こしやすく、特に下半身の浮腫は放置することで、セルライトに変化し、さらに身体を冷やしてしまいます。

取材・文:大崎量平