コーヒー好きの記者は、大阪・関西万博を訪れるにあたって、SNSで「万博 コーヒー」と検索をかけた。すると、普通に美味しそうな各国のコーヒーを押しのけて、大量ヒットしたのが異彩を放つサウジアラビアのコーヒーだ。
「『え、コレお茶じゃない?間違い?』って思っちゃった」
「まるで『お湯?』と思うほどの薄さだった」
「全然知ってるコーヒーと違った」
全員置いてけぼりにされている様子。これは飲んで確かめなければ……。

サウジアラビア館のテイクアウト専用カフェは、パビリオンの出口近くにある。

お目当ての「サウジコーヒー」は、「カルダモンを加えた、軽く焙煎した伝統的なサウジアラビアのコーヒー」とのこと。訪れた5月末時点では700円だった。

行列に並んでようやくゲット。見た目からして、お茶のような薄さだ。

そしてカップがめちゃくちゃ小さい。これで700円、万博価格……という気持ちになる。
ただ、香りがものすごい。多分これがカルダモンなのだろう。これだけ香るなら、さすがにただのお湯ではないのでは?
ひと口飲んでみる。
味はほとんどない。ただ、後口にスパイスの香りがほんのりと残って美味しい。香りを飲むものという感じだ。
サウジコーヒーを買うと、一緒にデーツ(ナツメヤシの実)をもらえる。交互に食べてくださいとのこと。

デーツはプルーンと小豆の中間のような味。濃厚で上品な甘さだ。デーツを食べてサウジコーヒーを飲むと……確かにものすごく合う。「お湯?」と思っていたのが嘘みたいに美味しい。これがハーモニーっていうやつか。
ただ、これを「コーヒー」と呼んでいいのかどうかは最後までわからなかった。いや、コーヒーと書いているからにはコーヒーなんだろう。だけれども……さすがに、よく知っているコーヒーとは別物と思って飲んだほうがよさそうだ。
万博を訪れた際には、ぜひ試してみてほしい。
取材・文:梁木みのり(BEST T!MES)