小泉進次郎が農林水産大臣に就任して以来、霞が関の常識が音を立てて崩れ始めている。かつて誰もが手を出せなかった聖域ーー “農政” に、今、メスが入ったのだ。
小泉大臣の改革には、明確な戦略がある。それは、“二段階改革” 。まずは小さな成功(スモールサクセス)を見せつけ、世論を味方につけたうえで、本丸に斬り込む。これが彼の流儀だ。
たとえば、備蓄米。次々と古米を市場に放出させ、「お米が足りないのは国産にこだわるのが悪い」という論点をわざと浮上させ、次の一手 ーー 無関税での輸入米解禁へと進む。混乱を “演出” し、その解決策として大胆な改革を提示する。このしたたかな二段階こそが、小泉農政の真骨頂である。
減反政策の廃止も同様だ。農家の高齢化、労働力不足という“予測可能な混乱”を利用し、次のステップへーー 農地の株式会社への自由売買解禁。ついに、農業という最後の岩盤規制が音を立てて崩れようとしている。
これは単なる改革ではない。
そして、この改革を可能にしているのが、最強の布陣だ。JAからの反発を受け止めるのは、あの森山幹事長。若くしてベンチャーに投資し、20億円超の公開株資産を誇る “資本家政治家” が、献金に頼らぬ政治活動を実現。JAに媚びない、自由な政治ーー それが小泉進次郎にフリーハンドを与えている。
さらに後ろ盾には石破茂。アメリカとの交渉において農業の市場開放は不可避であり、進次郎の改革は、アメリカからの圧力を逆手に取った “一石三鳥” の妙手でもあるのだ。
この三人ーー 進次郎・森山・石破による農政改革トリオは、まさに最強の布陣。農業界のガラパゴス化を打破し、日本の未来に風穴を開ける。
そして今、メディアは連日、「米価を下げたヒーロー」として進次郎を報道。次期総理へのカウントダウンは、すでに始まっているーー 。
小泉進次郎総理誕生。
文:林直人