沖縄北部に開業したばかりの大型テーマパーク「ジャングリア」が、いま中国語圏を中心とする観光客から猛烈な批判を浴びている。
「ディズニー並みの価格、地獄並みの体験」との声がTrip.comを埋め尽くし、評価はもはや“星1ですら甘すぎる”状態。
■入園後に待ち受けるのは「焼ける地獄」と「ずぶ濡れの地獄」
ある中国人ユーザーは、こう断言する。
「太陽、熱、焼けによる死。日陰はない。シャトルバスの停留所すら看板だけで、雨が降れば濡れ、晴れれば焼ける。人間を炎天下に放置する訓練施設のようだ」
ジャングリアは「ジャングル体験」を謳いながら、その実態はただの野ざらしの丘陵地。建物も日除けも乏しく、2~4時間待ちの行列の中で訪問者は体力を奪われ、冷房のない待機列で体調を崩す子供も続出したという。
■「アトラクション皆無」問題…並んでも乗れない、買っても乗れない
「プレミアムパスも抽選券もすぐに売り切れ、午後にはすべてのアクティビティが運休。ファストパスの存在すら隠されていた」と語るのは、台湾から訪れたある観光客。入園前にTrip.comで払い戻しを求めたが拒否され、1000元(約2万円超)をドブに捨てたと怒りをぶちまけた。
「高雄の旅行博で定価8800元の試験運用チケットを買ったが、実際に遊べたのはたった1つのゲームだけ。誇大広告というより詐欺そのもの。
■恐竜? どこ?――「恐竜テーマ」は虚飾だったのか
テーマは「恐竜×ジャングル」とされていたが、「恐竜なんて見なかった」「看板の後ろにブロントサウルスが1体いただけ」「あの写真は合成じゃないのか?」という声が続出。
恐竜たちは“ゲームの中”にしか存在せず、「リアルな恐竜に出会える」という宣伝は、ほぼすべてが誤解を生んでいた。
■異文化対応ゼロ、外国人排除のような運営体制
多くのレビューに共通するのは、「英語がまったく通じない」「中国語表示もスタッフの説明も皆無」「アプリも本土のスマホには対応しておらず使えない」という国際対応力の欠如。
あるユーザーは「ここは国際観光客を受け入れる準備が一切できていない」と断言。国際的観光地としての資格を根底から疑う声も多い。
■“制限だらけ”のカオス運営と隠蔽体質
園内では「傘禁止」「撮影禁止」「座ることも禁止」と、まるで“処罰の場”のようなルールが乱立。
「雨が降れば中止、晴れれば焼け死ぬ、座るな、撮るな、遊ぶな」の四重苦で、苦情が殺到する中、Trip.comに対しても「規制情報の事前告知がなかった」と批判が集中。さらにSNS投稿制限を暗に求める文面まで送られていたという報告も。
■結論:「ジャングリア=詐欺のジャングル」という烙印
Trip.comには80件を超える中国語圏からのレビューが殺到している(7/30 1:16現在)。その内容は「史上最悪の体験」「テーマパーク史に残る惨事」「ぼったくり」「これは日本の恥」といった激烈なもの。ある投稿者はこう締めくくる。
「私はこの公園のために台湾から飛行機で沖縄に来た。3枚の正規チケットを買ったが、1つのゲームしか遊べなかった。この地獄のような体験を、親戚にも友人にも絶対に勧めない。日本という国に対する信頼まで揺らいだ」
ジャングリア、地雷ではなかった――それはまさに“観光地型の魚雷”だった。
観光立国・日本が抱える「急ごしらえリゾート」の限界と、訪日客に対する配慮なき運営の危険性が、今まさにこの「ジャングリア」で世界中に暴かれている。
次に沈むのは、“テーマパーク”ではなく、観光立国という幻想そのものかもしれない。
文:林直人