世間を騒がせた化学機械メーカー「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で7日、警察当局は当時の公安部幹部らに対する処分などを発表した。
その中には、実質的に処分できない『退職した歴代幹部』も含まれている異常事態だ。
この事件は、警視庁公安部が2020年3月~5月に軍事転用可能な噴霧乾燥機を不正輸出したとして、同社の社長始め3人を2度にわたって逮捕した事件。
3人は起訴されたが、初公判直前の2021年7月、東京地検が起訴を取り消している。
最も重い処分は当時、現場の捜査班を運営していた元警視の担当管理官と元警部の係長の2人で、いずれも退職していることから「100分の10、減給1か月の懲戒処分相当」とした。
次に重い処分は当時、警察庁から出向していてすでに退職した元公安部長で「警察庁長官訓戒相当」、次いですでに退職していて、事件をめぐり大川原化工機側を逮捕した当時の外事1課長が「警視総監訓戒相当」。
さらに当時、大川原化工機の取締役男性の取り調べを担当した主任の警部補については、「警務部長訓戒」。
捜査に関与した歴代公安部長や参事官ら捜査幹部のほとんどがすでに退職しているが、警視庁は退職者らも含めたあわせて19人について、処分または「処分相当」とした。