■TV業界戦慄、「ダウンタウンチャンネル」の衝撃ビジネスモデル



“オールドメディア”と呼ばれるテレビの権威を、ますますゆるがしかねないサービスが生まれようとしている。吉本興業が11月1日から始動させる『ダウンタウンチャンネル(仮称)』だ。



『ダウンタウンチャンネル(仮称)』は、月額定額制の動画配信サービスとなることが予定されている。ダウンタウン2人のコンテンツをメインにスタートしたあと、明石家さんま、千鳥、かまいたちなどの出演が計画されており、やがては、新たな吉本芸人の活躍の場としたい考えだろう。



 そして、吉本興業の新たな収益源となることも期待されている。前述の通り、月額課金制で、仮に月額980円のサービスで会員数が10万人になった場合、毎月1億円近くの収益が入ってくる。



 制作費用の資金源は吉本興業が設立した「コンテンツファンド」で、企業レベルの大規模な投資から潤沢な資金が集められていると聞く。



『ダウンタウンチャンネル(仮称)』の始動に注目が集まる理由は、ビジネスモデルのインパクトだけではない。ダウンタウンの松本人志(61)が本格的に活動を再開する場となるからだ。



 松本人志は、週刊文春による性加害疑惑の報道以降、今年2月に放送された『クレイジージャーニー』(TBS系)を最後に地上波から姿を消していた。



 一方、相方の浜田雅功(62)も体調不良により3月から活動を一時休止。5月に復帰したものの、お笑い芸人として本格的な復帰とはいえない状況だった。松本と浜田の両者が不在のまま1993年から続いた『ダウンタウンDX』(日テレ系)も6月に最終回を迎えた。



 浜田の復活は叶ったが松本は戻ってこれるのか、ダウンタウンのお笑いを再び見られる日は来るのだろうか——。

そのようにファンがやきもきするなか、沈黙を破って打ち出されたのが、『ダウンタウンチャンネル(仮称)』構想だった。



 このニュースは、ファンの心を大いに明るくしたに違いない。





■「TVじゃなくていい」とエールを送っていた茂木健一郎氏



ついにダウンタウンチャンネル始動「輝く場所はTVじゃなくてい...の画像はこちら >>



 そして「ファン」とは対極の立場であるが、脳科学者の茂木健一郎氏も「それこそ松本さん!」とニヤリとしているかもしれない。



 茂木氏は書籍『ありがとう、松ちゃん 松本人志問題をぶった斬る!』(ベストセラーズ)のなかで「松本さんには早く戻ってきてほしいと思っていますが、とにかく輝く場所はテレビじゃなくていいんですよ」と語っていた。



 復活劇のシナリオも茂木氏の描いた通りだ。



「今こそ松本さんには、日本のテレビから離れることをおすすめしたい。正直、令和の時代になって、日本のテレビにはもう全然価値を感じません。今の若者、Netflixの『シティハンター』には食いついても、地上波のバラエティ番組なんて観ていませんよ」



 まさに、配信サービスでの復活の可能性について示唆していた。そして、その言葉の背景にあるのは、芸人としてのポテンシャルに対する、松本人志への強いリスペクトだ。



「松本さんがこの騒動の最中にXに『お笑いがやりたい』と投稿していて、それを見て僕は『甘えるな!』ってコメントしちゃったんですけど。あれはつまり、松本さんがまだテレビの中に留まって、自分のお笑いをやりたがっているように見えたからなんです。でも、そんな殻は思い切って捨てちゃった方が、次のステージに行きやすくなると思うんですよ。

やっぱり新しいことを生み出すためには、今あるものを捨てる勇気が必要で。だから松本さんには、テレビへの未練を断ち切ってほしいんです」



 さて、松本人志は、『ダウンタウンチャンネル(仮称)』にて復帰を果たしたあと、後輩たちの活動の場にすることも想定している。自身の騒動に巻き込まれる形で活動が制限されているスピードワゴン・小沢一敬(51、ホリプロコム所属)も、ゆくゆくは出演させたいと考えているという。



『ダウンタウンチャンネル(仮称)』が生まれることで、狭き門でテレビ出演を勝ち取ることが人気芸人への道だった若手にとっても、新たな活躍の道が開ける。すでに、配信ライブで大きく稼ぐ吉本の若手芸人の例もあるため、売れない貧乏芸人の苦労話が過去のものになる日も、そう遠くないのではないだろうか。



『ダウンタウンチャンネル(仮称)』の存在は、テレビ業界とともに長く活躍したい吉本芸人の生存戦略にも激震を与えそうだ。



文:BEST T!MES編集部

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