全市民を対象にスマートフォンなどの適正利用を促す条例案が22日、愛知県豊明市議会で成立した。
類似の条例は18歳未満のゲーム時間を定めた香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」があるが、全市民を対象にスマホの利用時間の目安などを規定した条例は全国初のことで、施行は10月1日から。
条例は市が「過度なスマホ利用が生活面や健康面に悪影響を及ぼし、家庭内の対話を減らしている」として提案。
約6万8000人の全市民を対象に、仕事や学習以外の余暇時間でのスマホやタブレット端末の使用目安を「1日2時間以内」と規定するほか、使用時間帯の目安も小学生以下は午後9時まで、中学生以上(18歳未満)は午後10時までとするよう規定している。
罰則規定のない理念条例だが、市が8月20日に条例案を公表して以降、市役所には電話やメールが300件以上寄せられているという。その内容は「自由を奪う権利はない」「家庭の問題に、政治が踏み込むのは越権行為」と言った批判的な声がある一方、「スマホ依存は問題。条例化を進めてほしい」などと肯定的な意見もあったという。
「市民の権利を制限したり、義務を課したりするものではないが、各家庭で話し合うキッカケにして頂きたい」と同市の小浮正典(こうき・まさよみ)市長(56)は条例の意義を語っていた。
文:BEST T!MES編集部