小泉進次郎候補というと、どうしても父親の小泉純一郎元総理の面影を感じ取る人が多い。
小泉純一郎元総理の有名な言葉として、「痛みに耐えてよくがんばった、感動した」と力士を労った言葉がある。
このイメージから、小泉純一郎元総理は国民に痛みを強いた総理だと記憶する既得権者も多い。
しかし、小泉進次郎候補は小泉純一郎元総理とは一味違う政治家である。
小泉進次郎候補は国民に痛みを強いない。そもそも、強いる必要がない。
なぜ、小泉進次郎候補は国民に痛みを強いる必要がないのか。
それは、今の経済状況がそもそも(少なくとも働く)国民に痛みを強いる必要がない経済状況だからである。
■デフレ経済とインフレ経済では前提条件が違う
そもそも、小泉純一郎政権のとき、日本はデフレ経済だった。
デフレ経済においては、現金の価値がどんどん高くなるので、何もしないことが財産を守るうえでは正解となる。
そのことから、仕事がどんどん無くなっていき、失業者が増えていった。
これは、小泉純一郎が総理大臣になったときの経済状況だ。
ところが、今の日本の経済状況は違う。
安倍政権以降の量的緩和政策でお金がじゃぶじゃぶ刷られた結果として物価は上昇。
物価が上昇しているときは、財産を守るためには何かしらをしなければいけない。
そのことから、投資はどんどん増えていき、仕事もどんどん増えていき、人手不足が深刻な社会問題になった。
そうした社会状況においては、別に人々は痛みに耐える必要はないのだ。
働いて、働いて、働きまくればインフレの物価上昇に追いつくか、それ以上のチャンスを得られる。
それがインフレ経済だ。
■小泉進次郎総裁候補は小規模農家を見捨てないか?
インフレ時代に必要なのは 「ロングテール」というのが小泉進次郎の答えだ。
小泉進次郎総裁候補は、それを直感的に理解している。
だからこそ、彼は供給力の強化に力を入れる。
インフレ経済において、供給力の強化というと多くの人が大企業への集約を考える。
しかし、それは違う。供給力の強化に際して、小泉進次郎総裁候補はむしろ小規模農家、山間部の小さな農家を重視する。
そうした小さい小さい農家が生産する農作物もちりも積もれば山となるでバカにならないからだ。
小泉進次郎候補は、今現在弱い立場にいる人の味方となりうる、そんな可能性を秘めていると思われる。
文:林直人