◾️2025年12月1日、健康保険証の有効期限が切れるが一体いつまで使えるのか?
コンビニなどの支払いで使えるQR・バーコード決済(PayPay、楽天ペイ、d払いなど)が利用されるようになってずいぶん経ちますが、スマホを持っている方なら一度は利用を考えたことがあるのではないでしょうか。
慣れると現金よりも便利で、ポイントやクーポンなどの特典も盛りだくさんなのですが、今でも支払い方法で一番多いのは現金なんですよね。
QR・バーコード決済というお得な選択肢があっても、長年の習慣で多くの人が紙幣や硬貨で支払いをしている光景は、今の時代を象徴しているように感じられます。
2024年12月2日から健康保険証の新規発行が停止されているため、2025年12月1日に全ての健康保険証が有効期限をむかえます。
ニュースで積極的に取り上げられているわけでもないので、知らない人も多いのではないでしょうか。
これにより、健康保険証がただちに使えなくなるように見えますが、厚生省は有効期限が切れた健康保険証を引き続き持参してしまう患者や、「資格情報のお知らせ」のみを持参する患者がいることを想定し、2026年3月31日までの暫定措置として、加入している保険によらず、医療機関側で保険給付を受ける資格の確認をしたうえで3割負担など適切に受診が行われるよう医療機関へ通知をしています。
簡単に説明すると、2026年3月31日までは有効期限の切れた健康保険証や、「資格情報のお知らせ」のみでも、医療機関で今まで通りの受診対応がなされるということになります。なお、この暫定措置については国民に周知する予定はなく、「聞かれたら答える」というスタンスのようなので、あくまで「気づかずに受診した人」を対象にしているようですが、トラブル防止のためにも政府の責任で周知したほうがいいと思うんですよね。
健康保険証が使えなくなったのでマイナ保険証へ切り替えて受診した人の横で、使えなくなったはずの健康保険証で受診している人がいれば混乱しますし、ネットや伝聞で「まだ使えるみたいだよ」と意図しない形で広まるのはよろしくないように感じます。
また、2025年10月末時点でのマイナ保険証利用率は37.14%とかなり低い数字が出ており、2025年12月1日までにマイナ保険証を被保険者のみなさんが使うようになるとは考えにくいのが現実です。
◾️現在「マイナ保険証の利用率」は37.14%という異様な低さ
マイナ保険証以外は完全に使えなくなるという話であれば、いやおうなしにみなさん使うようになると思いますが、制度としてはマイナ保険証を持っていなければ「資格確認書」で引き続き医療機関を受診できるため、「資格確認書」でいいやという方もいるんじゃないでしょうか。
注意点として、「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」は別物です。「資格情報のお知らせ」はA4サイズの紙で、マイナ保険証をなんらかの理由で使えない時に、マイナ保険証と「資格情報のお知らせ」をセットで医療機関へ提示すると受診することが出来る書類になります。
いっぽうで「資格確認書」はカード型、はがき型、A4型などの形式で、「資格確認書」だけで医療機関を受診することが出来ます。
まず、マイナ保険証の利用登録(健康保険証利用登録)をしている方には「資格確認書」が届きません。「資格確認書」はあくまでマイナ保険証を持っていない方が医療機関を受診出来なくならないようにするための対応なので、当然といえば当然ですが、この点がマイナ保険証の利用状況を考慮すると非常にやっかいなことになりそうなんですよね。
「資格確認書」が届くのは、マイナンバーカードを取得していない方、マイナンバーカードを取得しているが、マイナ保険証の利用登録をしていない方(利用登録解除を申請した方・利用登録を解除した方)、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れた方と、2026年7月末までの暫定措置として後期高齢者医療制度にご加入の方と、新たに加入される方へ送付されます。また、申請することで「資格確認書」を交付してもらえるのは、マイナンバーカードでの受診などが困難で配慮が必要な方とマイナンバーカードを紛失・更新中の方になります。(注1)
何が問題かというと、まず現在の全人口に対するマイナンバーカード保有率が79.9%で、マイナ保険証の利用登録率が約70.2%(人口比)となっていて、約29.8%の方がマイナ保険証の利用登録をしていません。また、医療機関でのマイナ保険証利用件数から、マイナ保険証の利用率が37.14%と低いことがわかっており、本格移行に合わせてなんらかの対策をしないと現場が混乱すると予想されます。
<マイナンバーカードの保有者数>(注2)
R7.10月末:9,948万人、全人口の79.9%
<マイナ保険証の登録者数>
R7.10月末:8,730万人、カード保有者の87.8%、(全人口の約70.2%)
<マイナ保険証の利用実績数>
R7.10月:10,199万件、37.14%
※R7.1.1時点の住基人口:12,433万人
マイナ保険証の利用率が低いことからも、「資格確認書」が届かないまま健康保険証が使えなくなり、混乱する方が大勢出てくるのではないでしょうか。マイナ保険証を使っている方や、「資格確認書」が届く方は受診方法が変わるわけではないので問題ないですが、「資格確認書」が届かない方たちは、暫定処置の期限である2026年3月31日までに医療機関の窓口などでマイナ保険証を使うよう頻繁にお願いされると思います。
注1)資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45470.html
注2)マイナ保険証の利用促進等について 令和7年11月13日
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001594829.pdf
■「マイナ保険証の登録・使い方説明会」で医療機関の窓口は大混乱必至
また、マイナ保険証への本格移行にともない、医療機関の窓口ではマイナンバーカードを持っていない方や、マイナンバーカードを持っているがマイナ保険証の利用登録をしていない方へもマイナ保険証での受診を推奨する可能性があるため、連日マイナ保険証の登録・使い方説明会が発生してしまい、現場が大混乱する気がしてなりません。
流石に医療機関にマイナ保険証の利用登録方法や、使い方説明を丸投げするのもいかがなものかと思いますので、政府主導による各市町村単位での役所対応としたほうがいいんじゃないですかね。
医療現場からはマイナ保険証関連のトラブルが報告されており、目立つトラブルとしては「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」の区別がつかず「資格情報のお知らせ」のみ持参や、市立札幌病院で25時間もオンライン資格確認が困難になったり、スマホのマイナ保険証が使えなかったり(専用カードリーダーを設置していない)などがあります。
特にスマホのマイナ保険証に関しては、対応した専用カードリーダーへの切り替えが必要になるため、各医療機関が専用カードリーダーを設置しなければ使えないのですが、使えないことを知らない利用者もいるため、スマホでマイナ保険証を使う利用者が増加すればトラブルも比例して増加するように感じます。
また、2025年度に電子証明書の更新が必要になるマイナンバーカードは2768万件もあり、更新手付きを忘れている方が医療機関を受診するときに、マイナ保険証が巻き込み事故で使えないといったトラブルも起きているようです。マイナ保険証関連の大きなトラブルから小さなトラブルまでを含めると、医療現場の負担は今後も大きくなっていくのではないでしょうか。
ここまで問題点やトラブルなどについて語ってきましたが、実際にマイナ保険証を使ってみると大変便利なのは間違いありません。
トラブルの多くはマイナ保険証への移行期間にともなう医療機関・利用者双方の混乱に起因していることが多く、マイナ保険証について正しく理解すればトラブルに遭遇したとしても基本的には保険が使えないといったことにはならないと思われます。
複数の医療機関を受診するさいに、受診歴や薬剤情報を正確に伝えることが出来るのは治療をしてもらうときに重要なことで、お医者さんに口頭でうまく伝えられないといった方はマイナ保険証を使うことで助かっているのではないでしょうか。
2025年10月1日からはマイナ救急もスタートしており、緊急時に119番でかけつけてくれた救急隊員の方へマイナ保険証として使えるマイナンバーカードを渡すことで正確な受診歴や薬剤情報を伝達することが可能になっています。(注3)
街中で事故に遭うなどして意識不明になってしまった場合には、自身で受診歴や薬剤情報を伝えることが出来ないため、マイナ救急による情報伝達が非常に重要な役割を果たすことが想像出来るかと思います。
◾️マイナ保険証があれば面倒な手続きが減る
高額な医療費が必要になってしまう場合でも、マイナ保険証なら事前に「限度額適用認定証」を申請して取得する必要がなく、カードリーダーで同意するだけ済むので、面倒な手続きが減るんですよね。
それだけにSNS上でマイナ保険証に対して反対の声がいまだ根強く残っているのが残念でなりません。政府はもっとマイナ保険証の広報に力をいれるべきなのではないでしょうか。
余談ですが、私の家から一番近い自販機は、旧紙幣・旧硬貨しか使えず、時代の波に乗り遅れた遺物になりつつあります。
飲料水を買いに行こうと思っても、財布に旧千円札の野口英世先生がいなければ、残る希望は硬貨のみ。しかし、現金をほとんど使わなくなると、ATMから降ろした新紙幣がそのままお財布に残り続けるため、硬貨が増えないんですよ。
現金をあまり使わないかたは同じような経験があるんじゃないでしょうか。
財布を覗くと、一万円札の渋沢栄一(しぶさわ えいいち)先生や、五千円札の津田梅子(つだ うめこ)先生に、千円札の北里柴三郎(きたざと しばさぶろう)先生だけしかいないことが日常で、そんな時は喉の渇きを潤すために怒りのコンビニダッシュをするのが私の習慣になっております。
デジタル化だけでなく、世の中の仕組みが変化する場面では、素早く対応していかないと利用者の不便が生まれるだけではなく、対応していない側にとっても損失が生まれることもあるため、多少の抵抗感があっても、世の流れが不可避であれば粛々と対応していくのがいい選択だと私は思います。
注3)マイナ救急で救急搬送がスムーズに!命を守るマイナ保険証の新しい活用法
https://www.gov-online.go.jp/article/202508/entry-8648.html
文:谷龍哉
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