物価高騰を受け連合が5%以上、中小企業は6%以上の賃上げを掲げるなど、労働環境は急激な変化の渦中にあります。



 さらに、2026年には40年ぶりの労働基準法大改正が予定されており、企業はかつてない対応を迫られているが‥。



 しかし、法改正の背景には依然として消えない「長時間労働」や「未払い残業代」といった、法律だけでは解決できない根深い問題があります。



 そんな現代の職場に潜む“光と闇”に真正面から向き合う小説「駆け出し社労士の逆襲」(生野拓斗 著、游藝舎刊)が、「リアルすぎる」と話題を呼んでい る。



 「同期の死」から「ストレスチェック義務化」へ!! 物語の主人公・山本伊織を突き動かしたのは、過酷なノルマと残業の末に自ら命を絶った同期・真白の悲劇です。



 この「過労死」にもつながりかねない精神衛生の問題は、最近の50人未満の事業場へのストレスチェック義務化の流れとも強く共鳴している。



 山本はこの悲劇を二度と繰り返さないという決意を胸に社労士になるが、最初の事務所でパワハラを経験し、理想と現実のギャップに直面してしまう。



 そして、熱い信念を持つ白手拓真の事務所へ移り、激務の最前線へと飛び込みます。



 未払い残業代に内部不正…法律と倫理の「妥協点」を探るが‥。



 山本が遭遇するケースは、“現代社会の闇”を映し出す。



 【不正な残業代請求の実態】居酒屋の社長からの相談で、従業員によるタイムカードの不正打刻が発覚。



 山本は厚生労働省が公表するような具体的な労働基準法違反事例とは異なる、悪意ある内部不正を相手に、裁判所が命じる可能性のある付加金(最大2倍)というリスクを避け、企業と従業員にとっての公正な「妥協点」を探るが‥。



 【モンスター社員との対峙】有給休暇をめぐるウソや職場で窃盗、カルテ改竄(かいざん)まで行う問題社員との攻防。



 すべてのトラブルが、企業のブラック体質から来るわけではないという現実を突きつけられます。



 賃上げ率が平均4.4%増となるなど、人件費の負担が増し、2026年の労基法大改正への対応が急務となる今、企業経営者とそこで働くすべての人にとって、山本の奮闘は自身の職場を見つめ直すキッカケとなることでしょう。



 この小説は、激変する労働環境を生き抜くためのヒントと働くことの意味を深く問いかける、現代のビジネスパーソン必読の書です。





文:BEST T!MES編集部

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