消滅ピンチのリーグワン「グリーンロケッツ」JR東日本へ譲渡決...の画像はこちら >>



 8月に「譲渡検討開始」が発表され、10月には所属選手の逮捕という不祥事も重なり、存続が危ぶまれていたラグビーリーグワンのNECグリーンロケッツ東葛。年内期限ギリギリで、ついに譲渡先が決まった。



 手を挙げたのは、JR東日本グループだ。



 12月11日、JR東日本とNECは【JR東日本グループが「NECグリーンロケッツ東葛」の栄光の歴史を引き継ぎます】と題した共同リリースを発表。リーグワン2025-26シーズン終了後の2026年7月に、正式にJR東日本グループへ譲渡されることが明らかになった。





■鉄道とラグビー、100年の歴史

 



 なぜJR東日本なのか。その背景には、企業スポーツへの強い想いがある。



 リリースによれば、〈鉄道とラグビーには、深い歴史的なつながりがあります。今年は、1925(大正14)年に当時の鉄道省にラグビー部が創部して以来、100年目を迎えることとなりました〉という。



 現在、JR東日本グループでは野球部(東京・東北)、女子柔道部、秋田バスケットボール部、八王子ランニングチームの5つの企業スポーツチームが活動中。〈企業スポーツの活動を通じた、健全な人材育成、競技人口のすそ野の拡大、地域の活力の醸成など、社会課題の解決に取り組んでいます〉とし、ラグビーチームの受け入れはその延長線上にある。





■既存チームとの「合体」はあるのか

 



 忘れてはならないのは、JR東日本にはすでにラグビーチームが存在すること。トップイーストリーグに所属する「JR東日本レールウェイズ」である。



 リリースでは、〈「JR東日本レールウェイズ」は、このたびNTTジャパンラグビー リーグワンで活躍する「NECグリーンロケッツ東葛」を仲間に迎えることで、さらに地力を磨き上げることにより、トップイーストリーグの頂点を目指す戦いを通じて、その伝統と歴史の系譜を次世代につなぎ、日本のラグビー界の発展に貢献〉するとしている。



 この表現からは、両チームの選手が合流する可能性が読み取れる。ただし、具体的な選手の処遇や編成については今後発表される見込みだ。新たなチーム名称も「決定次第お知らせする」とされている。





■ホストエリア、練習施設はどうなる?

 



 ファンにとって気になるのは、ホストエリアや練習拠点の行方だろう。



 リリースによれば、千葉県の8自治体(我孫子市、柏市、松戸市、流山市、野田市、鎌ケ谷市、白井市、印西市)をホストエリアとする体制、チームが運営するアカデミーやファンクラブ、ホームスタジアムである柏の葉公園総合競技場も引き継ぐ予定だという。



 さらに、NEC我孫子事業場内の練習グラウンドやクラブハウスは、譲渡後もNECがJR東日本に貸与を継続。NECは〈パートナーとしてチームの発展を支援〉する姿勢を示している。



 日本選手権優勝3回を誇る名門の「栄光の歴史」は、鉄道会社の手で新たな章を刻むことになる。



文:BEST T!MES編集部

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