【M-1予想】今年のM-1グランプリを制するのは？井口綾子さんは“ママタルト優勝”を大胆予想！

《前編》では、M-1グランプリ2025の決勝進出9組について振り返り、上位3組を予想してもらった井口綾子さん。《後編》では、準決勝を会場で観戦した生の声とともに、敗者復活予想、そして改めての上位3組と優勝予想を大胆に語ってもらった。

――前編では決勝9組についての徹底解説と、上位3組の予想をしていただきました。今回の後編では、会場でご覧になったという準決勝の模様と、敗者復活予想、それから敗者復活で選ばれた1組を含めた改めての上位3組予想、そして優勝の予想を伺いたいと思います。準決勝を会場でご覧になってどうでしたか。

井口綾子（以下、井口）：準決勝に足を運んで思ったことは、テレビで観るのと現場で観るのとでは印象がまったく違うということです。どっちがいい・悪いではなくて、テレビだと顔がアップになったり、いろんなカメラアングルで見せたり、審査員の顔が出てきたりしますが、会場だと同じ場所でその2人を見続けるだけなんですね。だから、会場だとやっぱり身構えちゃいそうですよね。それを抜きにしても、今年の準決の客席は空気が重かったみたいです。年々、M-1のハードルが上がって来てる感じがします。

――準決勝は、決勝進出した9組を含めた31組の戦いでしたが、井口さんの印象に残ったコンビは？

井口　もともと好きだったひつじねいりさん、イチゴさん、カベポスターさん、ですかね。

――カベポさんはファイナリストの経験が2度ありますが、今回は残念ながら決勝進出ならずでした。

カベポスター

井口　ずっと好きなんですけど、去年今年となかなか決勝に行けなくなってて寂しいです。あと、ワイルドカード枠の滝音さんも決勝に行けないんです。

資料に目を通しながら敗者復活コンビを予想

――準決勝の31組は実力が伯仲していますし、全体的にレベルの高い戦いだったと思います。敗者復活で戦う21組（注※ワイルドカード枠の滝音は敗者復活の出場権なし）で、どのコンビが勝ち残るか、井口さんの予想を聞かせていただけますか。

井口　難しいですね。スタミナパンさんも面白くて、準決勝のオオトリだったママタルトさんを見るまではスタミナパンさんが決勝に行くだろうと思ってました。ただ、ママタルトさんとスタミナパンさんの二組が決勝に行くことはないだろうと思っていたので。

――ふくよかなキャラで、被ってる部分があるかもですね。やっぱり現場で見ているとそういうところもしっかりわかるんですか。

井口　はい。実力的には、スタミナパンさんは決勝行っても全然おかしくないレベルだと思いました。あとひつじねいりさんも、豪快キャプテンさんと雰囲気が少し似ているからどちらかかな。

――準決勝は決勝9組以外にも、いろんなタイプのコンビがいましたからね。難しいと思います。ほかに、準決勝で感じたことはありますか。

井口　そろそろ、昔の漫才スタイルが再来しそうな感じがするんです。ひつじねいりさん、豪快キャプテンさんとか、「なんか古臭いけど、やっぱ面白い」「逆に新しい」みたいな。

――確かに一時期よりは王道系の漫才が増えてきた感じがします。

井口　例えば炎さんとか、今夜も星が綺麗さんとかは、今はあまり注目されていませんけど、ずっと準決勝・準々決勝に行ってる組なので、あと1、2年で頭角を表しそうな予感がします。あとドーナツピーナツさんもかな。皆さん、名前は出てもなかなか結果が出きらない悔しい時期にいるんじゃないでしょうか。

――なるほど。では数年以内にネクストブレイクが期待されるコンビが敗者復活にはいるということですね。その中で注目株を挙げるとしたら。

井口　決勝で見てみたいという点では、私はイチゴさんに行って欲しいかな。敗者復活でイチゴさんが来たらびっくりしちゃいます。

――イクトさんの、あのぶっ飛んだボケとキャラクターを決勝の舞台で見たらインパクトあるでしょうね～。

井口　そうですよね。木原さんのキャラも相当こわいですよ。木原さんのツッコミが好きなんです。「え―っ」って唸るだけとかね、思い出し笑いしちゃいます。ただ、決勝進出組には、シュール系だとヨネダ2000さんと真空ジェシカさんがいますから。

――確かに。でも、2組とも決勝出場経験がありますから、決勝初進出組でのシュール系はいませんね。

井口　そこで行くと、イチゴさんはめちゃくちゃ爪跡残しそうです。観た方みんなが「こんな人がいたのか」と思うでしょう。ネタも、2人の見た目も含めて。

――こうなってくると、「どのコンビが決勝に行くと面白そうか」という見方もしたくなっちゃいますね。

井口　イチゴさんが行ったら面白いですよ。でも、まだ決勝には行ってほしくないかな。今年行くのはちょっともったいない気もするんですよ。もう少し「チャンスの時間」（ABEMA）とかに出て、キャラを浸透させた状態で行ってほしいと思います。

――そちらのほうがより確実に決勝で戦えますね。じゃあ井口さんの予想としては、敗者復活はイチゴさん？

井口　イチゴさんは期待していますけど、本命はカベポスターさんですかね。

――めっちゃくちゃ悩まれてますね（笑）。みなさん実力派揃いですから。

井口　ホントにそうですよ。

――しかし、イチゴさんの予想が来るとは思いませんでした。最高です。では、敗者復活の井口さんの本命はカベポスターさんということで承りました。そこで、カベポスターさんも入れて、改めて最終決戦に進出する決勝上位３組を予想していただけますか。ちなみに前編では、真空ジェシカ、エバース、ママタルトと予想されていました。

井口　そうですね。すごく嫌な予想をすると、もし準決勝のネタでそのまま行ってしまったら、エバースさんは決勝3組に残れないかも......って思います。大好きで優勝してほしいからこそ、エバースさんにとって去年面白くてめちゃくちゃ注目されて、優勝本命候補とみられている今年がめちゃくちゃ勝負の年だと思うので、今年はエバースさんの面白い漫才の集大成みたいなネタを決勝でみたいなと思います。

――確かにネタの仕上げに関しては先読みできないですからね。前編で推してらっしゃった決勝初進出の豪快キャプテンさんは上位3組には残らないと思いますか。

井口　豪快キャプテンさんは確かに面白いけど、この決勝メンバーの並びだと、今年は上位3組に残る感じの雰囲気ではないような気がします。

――とはいえ、決勝初進出組が化ける可能性は大いにあり得ますよね。めぞん、ドンデコルテ、たくろうも初進出組です。

たくろう

井口　たくろうさんって、どっちに振れるかわからない気がするんです。めっちゃめちゃウケるか、笑神籤でちょっと雰囲気が合わないタイミングになったりすると、うまくハマんないだろうなという気もします。たくろうさんは、観てる方が最初から受け入れたくなる雰囲気がある気がするから大丈夫かなとも思いますけど。たくろうさんが準決勝の会場で一番ウケてたんじゃないかな。私、たくろうさんのネタのつかみの部分が好きなんですけど、そのつかみの部分をずっとやるようなネタを準決勝でやっていたんです。めっちゃ面白かったですね。

――たくろうは準決勝でそこまでウケてたんですか。そのあたりは予想するならスルーできませんね。

――（カメラマンより）私は、たくろうが上位3組に残るんじゃないかと思います。

――おっと、ここで取材チームから、お笑いに一家言ある丸山カメラマンの意見が出ました。井口さんどうでしょう。

井口　たしかに、準決勝の感じでそのまま行くとしたら、たくろうは外せないかもしれません。上位3組はママタルト、真空ジェシカ、たくろうですかね。ただ去年の決勝ファーストラウンドの商店街ロケのネタがあまりにも面白すぎて観ている人の期待感がもともと高いのに更に上がっちゃってると思うんです。そのハードルを越えるネタとしてどんなネタを決勝に持ってくるのかめちゃくちゃ楽しみです。

――審査員も、前回までに出ているコンビがどんなネタをやったかは頭に入ってますから、決勝戦経験組は過去の自分たちのネタを超えていかなければいけませんからね。その点では初進出組に強みがあるというか。

井口　もし、上位にめぞん、たくろうとかが入ってきたらすごい波乱ですよ。なんか最近のM-1だったらそれも全然ありそうだなって思います。次に来る芸人さんはM-1で見つける感じの方向性にもなってますもんね。

――実力派もキャラ系も、どちらもその傾向です。それでも、井口さんは前編でママタルトがかなり強いと予想されてますね。

井口　マジで強いです。去年の決勝10位から今年は大躍進っていう可能性はありますし、それはすごくいいストーリーな気がします。

――では、整理させていただきますと、上位3組は真空ジェシカ、ママタルト、たくろう、ということでよろしいでしょうか。

井口　そうですね。

今年のM-1グランプリを獲るのはズバリ…

――ではその中で、いよいよ優勝するコンビを予想していただきたいと思います。ズバリ、どなたがM-1グランプリ2025の覇者となりそうですか。

井口　私は、ママタルトさんが行くと思います。たとえば、エバースさんはバラエティ番組にいろいろ出ていますが、やっぱり漫才のイメージがあると思います。ところがママタルトさんは、今年も「水曜日のダウンタウン」（TBS）ほかいろんな番組に出ていましたけど、なぜかネタのイメージがあまり強くついていなくて、（大鶴）肥満さんのキャラクターが強いと感じます。その前提で決勝戦を観たら、「ちゃんと実力がめちゃくちゃあるコンビじゃん」って気づくことも含めて、ママタルトさんが優勝の風に乗っていくんじゃないかと思います。それで、さらなるスターになるんじゃないかなと。

――ちなみに真空ジェシカさんはどうでしょう。5年連続5回目の今年こそ優勝という予想も立てられますが。

井口　真空ジェシカさんは、最終決戦に進んだら去年の「ピアノが大きすぎるアンジェラ・アキ」のようなネタをまた仕掛けてくると思います。それを観たいけど、優勝してほしいファンからすると「またそんなことして」っていう気持ちもあるし、かといって普通にウケるネタをやると「今回はガチなんかい」ってちょっと思ってしまうという複雑な心境です。

――なるほどですね。じゃあ、やっぱりママタルトが優勝の第一候補だと。

井口　ママタルトさんですね。ママタルト、たくろう、真空ジェシカ、という順位じゃないでしょうか。

――素晴らしいガチの予想、ありがとうございました。それでは最後に、井口さんのM-1グランプリ2025決勝戦の見どころをぜひ教えてください。

井口　敗者復活の10組目はまだどの組が来るかわかりませんけど、今年は本当にバランスのいい決勝戦のメンバーだと思います。めぞんさん、ドンデコルテさん、たくろうさん、豪快キャプテンといった、お笑い好きじゃない人は初めて見る組が多いと思うんですけど、初進出組は皆さんめちゃくちゃ面白いです。ちょっと前までだと、初めて出る人はチャレンジ枠みたいな感じもあったと思うんですけど、今は初進出から優勝候補になるくらい面白い人たちが出ています。

――もうM-1にはベテランだから有利、新顔はチャレンジなんて区分けはありませんね。

井口　M-1で観て好きになる芸人さんとか、今年は惜しくも優勝を逃してもまた来年注目したくなるような芸人さんとも出てくると思います。視聴者の皆さんは、年末の時期でお忙しいと思いますけど、できれば12月21日決勝当日の15時から開催される敗者復活戦から観ると、来年の注目株が見つかると思ので、お時間をつくって観ていただけると嬉しいですね。あと、4分間の公式MVは絶対に観てほしいです。あれで気分が盛り上がるんです！

――前編で、井口さんが芸人さんのM-1への想いが詰まっていると猛烈プッシュされていたMVですね。

井口　そうです。M-1が終わった後にXを見てると、出演者のネタを批判したりしている人がいますよね。私はあれを見るのがすごく苦手なんです。MVを観て、M-1の決勝に行くまでの芸人さんたちの想いや努力を知ったら......この1年間だけじゃなくて、何年もかけて仕上げてきた集大成の場が12月21日なので、私は色眼鏡なしで観たいんです。もし結果が振るわなくても、それは笑神籤の順番だったり、当日の雰囲気との相性とかいろいろ理由があるかもしれないじゃないですか。皆さん、私もですけど、M-1となると熱量が大きくなりすぎて、すごく気張って観ちゃうと思うんです。めっちゃ面白い方々が揃っているので、とにかく楽しんで笑うつもりで観るということを心がけたいなと思います。

――楽しんで観るのが一番、本当にその通りだと思います。ちなみに当日はちゃんとリアルタイムで観るんですか。

井口　1年に1回の楽しみなので、その日はお仕事のNG出しています（笑）。

――12月21日が待ち遠しいですね。そして井口さんが予想された三連単、今年こそ当たるといいですね！

井口　ぜひ当てたいと思います。

――最後に、今年のM-1グランプリ、面白くなるのは間違いないですね？

井口　はい。間違いありません！

いよいよ決戦まで残すところ数日となった。果たして今年はどのコンビが史上最多11521組の頂点に輝くのか、日本国中が固唾をのんで見守っているといっても過言ではないだろう。井口さんの三連単予想は当たるか否か、そして次なるお笑い界のスター誕生の瞬間を見逃してはいけない。12月21日は万難排してM-1を観るべし！

21日のファイナルはもうすぐ！

井口綾子

1997年生。神奈川県出身。青山学院大在学中に「ミス青山コンテスト2017」に出場し準グランプリに選出。以降、タレントとしてバラエティやグラビア、ドラマとマルチに活躍。現在は父が経営する首都圏21店舗を有する美容院「EXCEL」の会社運営に加わる。芸能活動と会社経営の二刀流で活動の幅を広げている。