▲DIR EN GREY(Xより引用)
海外でも大人気の5人組ビジュアル系ロックバンドDIR EN GREY(ディル・アン・グレイ)が27日、米国のAIテクノロジー企業「Cifer Studio(サイファー・スタジオ)」とのパートナーシップを発表した。
Cifer Studioは、アーティストの権利保護を核としたAIインフラを構築する米国のテック企業。
従来の「AIによる無断学習」に異を唱え、クリエイターが主権を持つ技術モデルを提唱しクリエイターの著作権や知的財産、さらには創作活動の完全性を保護することを目的としたインフラ開発を行っている。
DIR EN GREYは1997年結成。
映像を駆使した唯一無二の世界観で日本のみならず海外でも熱狂的な支持を得ているロックバンドで、常に既存の枠組みを破壊し、進化し続ける姿は国内外の多くのアーティストに影響を与えている。
今年4月に行った5年半ぶりのアメリカ単独公演も大成功を収めた。
今回、Cifer Studioは世界中のアーティストを調査する中で、「DIR EN GREYの持つ一貫したセンスと、芸術的自律性に対する妥協のない姿勢」に着目。
クリエイティブの独立性を重んじる両者の価値観が一致し、今回の提携に至ったという。
具体的な内容としては、DIRの音楽およびビジュアル素材を高度なAI技術で解析・活用し、新たな表現形態の模索を行う。
さらに特筆すべきは、この取り組みが「人間の創造性をAIに置き換えるもの」ではなく、アーティストが持つ独自のビジョンを保護し、さらに拡張するためのツールとして位置づけられている点だ。
この提携について、DIRのギタリスト・薫は「AIディルアングレイvsディルアングレイとかなったら面白いですね」と歓迎のコメント。
また、Cifer Studioの創設者兼CEOのミランダ・ヴァレリン氏は 「テクノロジーの進歩がプライバシーや著作者の権利を犠牲にしてきた歴史を打破したい。DIR EN GREYのような、芸術的真理を追求し続けるアーティストと共に歩めることを光栄に思う」と熱く語っている。
なお、今後のプロジェクトとしては共同研究と開発を段階的に進めていく予定で来年2026年には、今回の成果を反映したアーティスト向けのシステムやツールの第一弾が公開される見通しだ。
音楽シーンにおいて、常に先鋭的な表現を提示し続けてきたDIR EN GREY。
テクノロジーとの新たな関係性を築く今回の試みが、今後の音楽業界におけるAI活用のあり方に一石を投じることになりそうだ。
 米国のAIテクノロジー企業とのパートナーシップが決まったDIR EN GREY  今年4月の全米公演のライブ風景
文:BEST T!MES編集部
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