2026年は、日本マクドナルド創業者・藤田田(フジタ・デン)の生誕100周年の年だ。日本人の食文化を一変させただけではない。

元祖起業家として、その哲学は孫正義、柳井正ら現代を代表する経営者たちに多大な影響を与えているのだ。



 藤田田は1926年3月13日、大阪生まれ。東京大学法学部在学中にGHQの通訳を務め、ユダヤ人米兵の自由な生き方に触れて感動。在学中の1950年に輸入雑貨販売店「藤田商店」を設立し、学生起業家として歩み始めた。



 1971年、米国マクドナルド社と合弁(50:50の出資比率)で日本マクドナルドを設立。同年7月、銀座三越1階に第1号店をオープンし、大成功。米が主食の日本人の口にハンバーガーを熱望させ、食文化を一変させていく。創立30年にあたる2001年には株式公開を果たす。



 2004年4月21日逝去、享年78歳。





■「女と口を狙え」の衝撃



 人間の欲望をいかにとらえ、いかに金とするか。藤田の視点が詰まった名言がある。



 女と口を狙え、である。



 「金を消費する権限を持っていない」男と対照的に、女は男が稼いだ金の使い道を決める立場にある。財布の紐を握っているのだ。そして「口」を狙えば、胃の中に入ったものは必ず消化され、一定周期で需要が発生する。「土曜日も日曜日も、一日の休みもなく稼いでくれるのは銀行預金の利息と、この『口に入れる商品』だけだ。だから、確実に儲かる」と豪語している。





■孫正義、柳井正、オイシックス…



 藤田田は現代の怪物経営者・起業家たちにも大きな影響を与えている。



 まずは、いま日本の富豪ランキング1位、2位を争うこの二人。



 ソフトバンクグループ創業者の孫正義は、16歳のときに藤田の著書『ユダヤの商法』を読んで感動。九州から藤田に会うためだけに上京した。1週間毎日会社を訪ね続けた熱意に藤田は面会を許し、「コンピュータを勉強しろ」と助言。この言葉がソフトバンク創業の原点となったのは有名な話だ。



 ユニクロを展開するファーストリテイリング会長の柳井正も「線を引いて何度も何度も」同書を熟読していたという。

ちなみに後年、藤田と柳井はソフトバンクの社外取締役として名を連ね、孫正義を支える立場になった。



 「女と口を狙え」の思想はどうか。たとえばオイシックスは、忙しい共働き世帯の主婦に、高品質な野菜や食材を届けるビジネスモデルで成長した。創業者の髙島宏平氏は「女と口」を狙った現代版の実践者といえるのではないだろうか。



 なお、生誕100年を記念して、新刊『起業家のモノサシ』(ベストセラーズ)が1月下旬に発売予定だ。









文:BEST T!MES編集部

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