インターネット上でマンガやアニメ、ゲーム、映像等のコンテンツが突然購入できなくなる、あるいは毎日使っていた配信サービスが突然終了する…… この1年あまりのうちに、多くのユーザーに親しまれていたコンテンツが排除される事例が相次いで報告されている。
何が起こっているのか?背景にあるのは「金融検閲」——クレジットカード会社や決済代行業者による、独自基準でのコンテンツの選別と排除を総称する新しい経済用語——の動きだ。
本稿では、急速に表面化しつつある「金融検閲」と呼ばれる現象の実態と、それがもたらす課題について、検閲を実際に受けた事業者の声も踏まえて考察する。
■配信業界で何が起きているのか?「マンガ図書館Z」の終了と世界の動き
直近で起きた日本の象徴的な事例を紹介したい。
2024年11月、絶版マンガなどを配信する「マンガ図書館Z」が一時サービスの停止に追い込まれた。同サービスの創業者で、漫画家としても著名な参議院議員の赤松健氏によれば、決済代行会社がクレジットカードを含め、決済サービス全体での解約を突如として通告してきたことでサーバー代などの資金繰り等が難しくなったことが理由だという。
その後、「マンガ図書館Z」はクラウドファンディングでサービス再開にこぎつけたが、露骨なエロ・グロ作品だけでなく、BL(ボーイズラブ)作品を扱う女性向け作品サイトでも、VisaやMastercardの決済停止が相次いで発表されている。
さらに、世界的なゲーム配信プラットフォーム「Steam」や「itch.io」においても、多数のコンテンツが一斉に削除される事態が発生している。
■「金融検閲」とその背景に何が?
そもそも、「金融検閲」とは何を指すのか?
一般には、決済処理業者やクレジットカードブランドなどの金融仲介業者が、任意の基準で事業や製品を拒否・制限することによって、活動を実質的に封じ込める行為とされている。
現代の商取引において、カード決済へのアクセスは商売の命綱であり、そこから排除されることは市場から追放されることに等しい。
この「金融検閲」の最大の問題は、この強力な権限の行使が、なんら法的手続きを経ることなく、民間企業の利用規約や「ブランド保護」という名目のもと、不透明に行われている点にある。
■決済停止の裏にある過剰な自主規制の実態
今回、「金融検閲」の対象となって決済停止等の措置を受けた国内の映像配信業者やゲーム制作会社に、匿名を条件に取材をする機会を得た。
ゲーム制作会社社長のAさんは戸惑いを隠さない。
Aさん「突然、『貴社との契約を解除することとなりました』というメールが送られてきて決済が停止されたんです。
さらにAさんは特定の団体からの抗議活動があったことも明かした。
Aさん「同業者などのツテを使って調べたところ、いわゆる人権保護系の団体などがプラットフォームや決済代行業者に対して強硬な抗議活動を展開していたことがわかりました」
実際、2025年7月、国際的にも有名なオーストラリアの人権団体Collective Shout(コレクティブ・シャウト)は、ゲームプラットフォームや決済代行業者の社長を名指しで、「人権侵害の懸念があるゲームの公開停止」を求める公開書簡を発行するとともに、署名活動も展開した。
■不確かな判定基準
不確かな情報に基づく自主規制や基準が不明瞭な判定がもたらす弊害は深刻だ。その運用基準が恣意的にならざるを得ないためだ。
例えば、「マンガ図書館Z」の運営会社には、決済代行会社から特定キーワードを含む作品の削除要請があったが、そのリストには性的な語句だけでなく、「暴行」「被害」といった、一般的な文脈でも使用される単語まで含まれていたという。
また、プラットフォーム側は「ブランド保護」や「社会的責任」を掲げて規制を強化しているが、世界を見渡せば、サプライチェーンにおける児童労働が問題視されているチョコレートやファストファッション、あるいは紛争地域の資金源となる懸念がある金やダイヤモンドなどの取引についてもリスクがあるはずだ。しかし取材をした限り、これらをカード会社が決済を停止したケースはほとんど見当たらなかった。
映像配信業者社長のAさんは、「実在の被害者が存在する深刻な人権侵害が黙認される一方で、法的に合法な創作物が高リスクとして排除されるなど、基準があいまいな状態では改善が難しい。せめて何が原因なのかを教えてほしい」と指摘する。
■見えないルールと私たちへの影響
もちろん、企業がリスク管理として違法コンテンツを排除するのは当然の責務だ。しかし、その対策が「適法なコンテンツ」までをも巻き込んでいるのが現状だ。
好きなマンガやゲームを買い、推しの映像配信を楽しむ…… そんな当たり前のことが、ある日突然できなくなるかもしれない。
文:BEST T!MES編集部
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