NASA の幹部が、現在、地球近傍を高速で通過する数千もの「都市破壊級」小惑星を阻止する手段を、人類は持っていないと警告した。専門家の推定によると、未発見の中規模な天体は約 1万5000個存在し、それらは地球に衝突可能な軌道上にあるという。
2022年の「DART (ダート)」ミッションは、宇宙船を衝突させて危険な小惑星の軌道をそらすことが理論上可能であることを証明した。しかし科学者らは、現時点で実際の脅威が発生した場合、即座に打ち上げ可能な防衛システムは存在しないと指摘している 。
ジョンズ・ホプキンズ大学のDART計画責任者、ナンシー・シャボット博士は、こう述べる。「都市を破壊する規模の小惑星を懸念している」「DART は優れた実証実験であったが、実戦的な脅威に対し即応できる態勢は整っていない。直径140メートル級の小惑星のうち、いまだ50% の所在が不明であることは極めて深刻な問題だ。現段階では、小惑星を能動的に軌道修正する手段は確立されていない。準備は可能だが、そのための投資が十分に行われていないのが現状だ 」。
また、アリゾナ州で開催された米国科学振興協会(AAAS)の会議において、NASA の惑星防衛担当官ケリー・ファスト博士は、未知の物体の存在が最も憂慮すべき問題であると認めた。「最も懸念すべきは、未知の小惑星の存在だ。小さなものは日常的に地球に衝突しており、大きな脅威とはならない。また、映画に描かれるような巨大な天体については、すでに位置が特定されているため過度な心配は不要だ。
真の問題は、直径約140メートル以上の中間サイズ。
NASAは2027年に新ミッション「NEOサーベイヤー」を打ち上げ、10年以内に直径140メートル以上の小惑星の少なくとも90 %を検出することを目指している。それまでの間、地球は小惑星の脅威に対し、事実上の無防備な状態が続くことになる。
文:BEST T!MES編集部
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