2月、文化庁は国立の博物館や美術館の運営について、来年度から5年間の次期中期目標で事実上の収支均衡を目指した数値目標を定めた。未達成の場合、再編を検討するという。
「展示事業に係る費用に対する展示事業に係る自己収入額の割合が、本中期目標期間の4年目において、『4割』を下回っている等社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館については、再編の対象とする」(文化庁文書:『独立行政法人国立文化財機構が達成すべき業務運営に関する目標』)
国費に頼らない財務構造への転換が目的で、中期目標には訪日外国人観光客が割高になる入館料の「二重価格」の導入も盛り込んでいる。文書からは「自分たちで稼げるようになりなさい」「数値目標を達成できない館は社会的に不要です」という国からのメッセージが読み取れる。これにより2030年以降、国立の博物館や美術館が閉館する可能性が出てくる。
この問題を読売新聞が大々的に報じると、Xには文化庁への批判が相次いで投稿された。
俳優の村井美樹氏はXでこう嘆いた。
「おかしいよ。目標金額に達さないと閉館だなんて。国の財産なのに…」
齋藤幸平東京大学准教授もXに以下のコメントをポストした。
「採算無視しろとは言わないが、目標が『昨年度実績の1・5~3倍程度』は高すぎて、本来の趣旨からの乖離では? 儲けのための施設ではない社会的共通資本なわけで」
批判の矛先は、都倉俊一文化庁長官にも向き、演出家の夏井孝裕氏はXに「都倉文化庁長官は今日発表の方針を全面撤回し、ただちに辞任すべきです」と怒りを滲ませ、辞任要求ポストを行った。
対して元漫画家の赤松健参議院議員もこの件について「もともと『閉館』は想定しておらず、『再編』とは各地の博物館・美術館が持つ役割分担を変更していくことを意味している」と説明した。そして、「この記事は文化庁への取材無しで書かれたものでした。普通は行う『裏取り』が行われなかったため、記事には一部誤解を与える部分があったように思います」と私見を述べている。
当の文化庁もネットメディアの取材に対して、「閉館は中長期目標のどこにも書いていない」とした上で、交付金に代えて博物館全体の運営費を賄うための目標ではないと明言した。
しかし、この言葉を額面通りに受け取るのもどうか。何せこの国の政府と政治家は公文書改ざんをしても、誰も責任を取らない保身ぶりだ。今後も動向を注視していく必要があるだろう。
文:BEST T!MES編集部
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