「誰でも1億円つくることができる方法」日本マクドナルド創業者...の画像はこちら >>



日本マクドナルド創業者の藤田田は昭和26年から昭和56年まで、毎月5万円からはじめて、10万円平均欠かさず貯金した。30年間一度もその貯金を引きだすことはなかった。

そして貯金通帳の残高は30年後、1億2400万円にまで膨れた。もちろん当時と今とでは、銀行の金利も違う。でも、氏のエピソードは、お金持ちになるのに大事な克己心を教えてくれる。新装復刊した『凡人が億を築く法』(KKベストセラーズ)より抜粋して紹介しよう。





■毎月10万円✕30年=?



 私はこれまでに、銀行の偉い人から大学をでて2、3年の外交員まで、何百人もの人に、毎月10万円ずつ貯金をしたら30年でいくらになるか、とたずねてきた。しかし、だれひとり、正確には答えられなかった。



 ある一流銀行の頭取さんは、



 



「それは藤田さん、1年に120万円だから20年で元本は3600万円になるから、倍の7200万円ぐらいでしょう」



 とおっしゃった。ペケである。



 正解を言え、といっても、質問自体にも問題がある。利息は変動するもので、30年間同一利息ということはありえない。利息もうごくし税金も動く。現在、源泉分離課税は20パーセントだが、10パーセントのときもあれば、25パーセントだったこともある。

そういったことを厳密に計算していかないと答えはだせない。



 そこで、いろいろな答えが返ってくる。



 5000万円だ、という人もいれば、6000万円、という人もいた。7000万円という人もいたし、8000万円だろう、という人もいた。



 プロフェッショナルな銀行員にして、このありさまである。5年後、10年後の答えは即答できても、30年後はだれひとり答えられなかった。30年という長いサイクルで、ものを見たり、考えたりはしていないのである。



 正解は1億2400万円である。なぜ、私に正解がだせるのか。





■「1億2400万円」藤田田だけが知るその答え



 私自身が昭和26年から昭和56年まで、毎月5万円からはじめて、10万円平均、欠かさず貯金してきたからだ。



 30年間、一度も、その貯金を引きださなかった。その貯金通帳の30年後の残高が、1億2400万円になっていたのだ。



 



 住友銀行新橋支店で、私は30年間、毎月10万円ずつ預金をつづけてきた。銀行にたずねてみたのだが、そんな形で辛抱強く預金をつづけてきた者は、私以外にはひとりもいないということだった。



 若いサラリーマン諸君に「君、1億円ほしくないか」とたずねたら、10人が10人、「ほしい」と答える。



「簡単にできるよ」というと「宝クジでも買うのですか」ときき返す。宝クジでは絶対に1億円を握ることはできない。



「最初の10年間は毎月5万円ずつ貯め、次の10年間は毎月10万円ずつ貯め、最後の10年間は毎月15万円ずつ貯めなさい」



 私は1億円の金がほしい、という若い人に出会うと、そう教えてあげることにしている。私がやってきたとおりをアドバイスしている。これだと、30年間、毎月平均10万円ずつ貯めるのと同じことになるからだ。



 若いサラリーマンが、毎月5万円貯めるというのは苦しいことにはちがいない。



 しかし、苦しくても、歯をくいしばってやれば、不可能ではない。毎月10万円のコースに入ると、年齢は32、3歳、月給も少しは上がっている。最後の15万円は、それほど苦しくないはずだ。



 30年後の1億2400万円のうち、元本は3600万円である。残りの8800万円は銀行が払ってくれる利息である。



 私は、1億2400万円をみせびらかしたくて、こんなことをいっているのではない。時間をかければ大きな仕事ができる、ということがいいたいだけである。



 読者の中には、1億円なんか、オレには縁がない、と思っている人が多いはずだ。ところが、じつは、時間をかければ、簡単にその1億円が自分のものにできるのである。





■大富豪への道は欲望との戦いだ



 私が、なぜ、毎月10万円ずつ30年間、預金をつづけてきたかというと、小さな企業を経営してきたからだ。小さい企業というのは苦境に追い込まれても、国は助けてくれない。銀行だって助けてくれない。



 いまでこそ、私がいえば、銀行は何百億でも貸してくれるが、預金をはじめたころは、だれも金を貸してくれなかった。となると、自力救済しかない。私は、自力救済のためにこの預金をはじめたのだ。



 30年間、一銭も引きださずにつづけてきた預金通帳を見せれば、会社がパンク寸前になっても、死ぬまでかかって払うから金を貸してほしい、といえば、どんな人でも金を貸してくれる。私は本気でそう思ったから、預金をつづけてきたのだし、いまでも本気でそう思っている。



 みなさんは、時間を金にかえる方法というと、短時間に成功する方法を考えるのではないだろうか。



 しかし、そんなうまい方法がそうザラにころがっているわけではない。



 毎月10万円を30年かかって預金していくと、元金は3600万円で利息が8800万円。元金よりも利息のほうがはるかに多い。金を銀行に預けておいて利息を利用して金儲けをすることは、どんなに頭の悪い奴にでもできる金儲けである。



 しかも、この方法は時間をかければかけるほど、利息が大きくなっていく。これだって、時間を利用した立派な金儲けであることにかわりはない。



 短時間に大きいことをやろうとあせるよりも、時間をかけて大きいことを成すべきである。



 毎月、10万円ずつ預金をつづけた30年間に、私は何度、この預金をおろして使いたいという誘惑にかられたか、わからない。



 しかし、そのたびに、オレは30年間続ける、と決めたのだ、だから、いま、おろしたら負けなのだ、この貯金をおろす日はオレが終わる日だ、と自分にいましめつづけてきた。



 いま、考えると、そうやって自分の欲望をおさえて、これと戦いつづけたことが、克己心の要請に非常に役立っていると思う。



 自分に勝つ、己れの欲望に勝つ。これほどむずかしいことはないが、それを30年間預金をつづけ、一度も引きださないことで、私は成し得たと思う。



 もちろん、自分の欲望との戦いは生きているかぎりつづくはずである。しかし、いまは、その戦いに、いつでも勝つ自信がある。それを植えつけたのがこの預金だった。



 これまで仕事をやってくる上で、苦しいことはずいぶんあった。いやなことも多かった。しかし、私は、自分の尻を引っぱたいて自分を前進させてきた。いったんこうと決めたら、絶対にやるんだ、と自分にムチをうってやってきた。



 それはある意味では、この預金があったからできたのではないか、と思う。



 この預金は、私が死んだら息子に引きつがせ、30年つづけさせようと思う。

そして、息子から孫にバトンタッチをし、さらに30年やらせようと思っている。90年たったら、毎月10万円の預金の元利合計はいくらになるか、想像もつかない。



 そこでなにをやるか。私はギネスブックに売りこもうと思っている。



 90年間、子孫三代にわたる克己心養成の証をギネスブックに登録するのである。そう考えると愉快になる。





■億を築く道は、信用を築く道



 純粋に金儲けという観点から見ると、30年間の預金はムダであったともいえる。



 昭和26年にこの預金をはじめたころ、東京・荻窪の土地が1坪1000円だった。5万円で50坪の土地が買えた。ところが、今日では坪当たり250万円はする。30年間かかった貯えた1億2400万円で買えるのも、また50坪である。



 だから、本当の金儲けという点から考えると、毎月貯金をするのではなく、毎月、その金で土地を買っていたら、すごい資産家になったはずである。30年間あなたはなにをしてきたか、といわれても、ひとこともない。



 ただ、克己心を養うことができた、ということは、負けおしみではないが、金にはかえられない問題である。



 信用もつけることができた。これも金にはかえられないものである。30年間につちかった信用は、土地を買いつづけてつくったはずの資産にけっして劣らない大きなものである。



 私は30年かけて、その大きな信用をつくったのである。



 現代はスピード時代だといわれる。しかし、時間をかける、という発想もまた、若い人にはとくに大切にしてほしいと思う。



文:藤田田



《『凡人が億を築く法』より構成》

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