さかのぼること、1970年代。高校生だった孫正義少年は、その後の経営者人生に大きな影響を与えることになる1人の男、1冊の本に出会う。
その男の名は日本マクドナルド創業者の藤田田(デン)。孫氏は著書『ユダヤの商法』の内容に感激し、半ば強引に藤田田との面会をとりつけた。その場で、「これからはコンピュータビジネスの時代だ。オレがおまえの年齢だったら、コンピュータをやる」と、その後のビジネスのヒントとなる言葉をかけられたという。さて、その『ユダヤの商法』とはいかなるものだったのか――。復刊にあわせその大法則を公開する。商法の掟は時と場所を超えて不変だ。■78:22の宇宙法則
孫正義氏の成功の原点「ユダヤの商法」。その根源“78:22の...の画像はこちら >>
1972年初版の『ユダヤの商法』。孫少年が手にとった1冊がコチラ

 ユダヤ商法には法則がある。そして、その法則を支えているものは、宇宙の大法則なのである。人間がどうあがいても曲げることができない宇宙の大法則。ユダヤ商法が、その大法則に支えられている限り、彼らは決して〝損〟をしないのである。

 ユダヤ商法の基礎になっている法則に『78対22の法則』がある。厳密にいうと78にも22にも、プラスマイナス一の誤差があるから、78対22は、時には79対21になるし、78・5対21・5になる時もある。

 例えば、正方形とその正方形に内接する円の関係を考えてみよう。正方形の面積を100とすると、その正方形に内接する円の面積は78・5になる。つまり、正方形に内接する円の面積を約78とすると、正方形の残りの面積は約22になる。一辺が10センチの正方形を描いて試しに計算してごらんになるとすぐ分かるが、このように、正方形に内接する円と、正方形の残りの面積の比は『78対22』の法則にピタリと合致するのである。

 また、空気中の成分が、窒素78に対して酸素等が22の割合になっていることは、よく知られている。人間の体も、水分が78、その他の物質が22の割合でできている。

 この『78対22の法則』は、人間の力ではいかんともしがたい大自然の宇宙の法則である。例えば、人間が人為的に、窒素60、酸素40の空間を作り出したところで、とうてい人間はそのような空間では生活できないし、人体の水分が60になれば、人間は死んでしまう。だから『78対22の法則』は決して『75対25』や『60対40』にはならない。不変真理の法則なのだ。

■儲けの法則も、78対22

 この法則の上に、ユダヤ商法は成り立っている。

 例えば、世の中には『金を貸したい人』が多いか、『金を借りたい人』が多いか、といえば、『貸したい人』の方が断然多い。一般には『借りたい人』の方が多いと思われているようであるが、事実は逆なのである。銀行というところは、多くの人から借りて、一部の人に貸している。もしも『借りたい人』の方が多ければ、銀行はたちまちつぶれてしまう。サラリーマンでも、儲かる、となれば『貸す』という人が圧倒的に多いはずだ。マンション投資などのインチキ金融にひっかかる人が多いのも、『借りたい人』より『貸したい人』の方が多い何よりの証拠である。つまり、ユダヤ人的に言うならば『貸したい人』78に対して『借りたい人』22の割合でこの世は成り立っているのである。このように『金を貸したい人』と『借りたい人』の間にも、この『78対22』の法則は存在するのである。

 私もかつて『78対22の法則』を活用して、何度か儲けさせてもらったことがある。

 毎年、税務署が年収1000万以上の人の氏名を公表する(現在は公表していない)が、私はこのクラスの人々が、会社のお得意さんだと考えている。このクラスの人を相手に商売をすれば、はっきりいってかなり儲けさせてもらえる。

 一般大衆にくらべて、金持ちは数こそ少ないが、その名の通り、金持ちが持っている金の方が圧倒的に多い。つまり、一般大衆が持っている金を22とすれば、わずか20万人足らずの金持ちが持っている金は78になる。つまり78を相手に商売をした方が儲かるのである。

『ユダヤの商法』より構成〉

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