全国的に厳しい暑さとなった今年の 夏 。 山形県や新潟県では 40 ℃を越える日もありました。

「そもそも、炭水化物中心の食事で太ってしまう主な原因として、食後血糖値の急上昇とそれに伴うインスリンの過剰分泌が考えられています。白米やうどん、パスタなど、でんぷんを含む炭水化物の糖質は消化・吸収が早く、すぐにブドウ糖へと変換されるため、食後血糖値を急激に上昇させやすいのです。この時、血糖値を下げるために分泌されるインスリンには、体内の余分な糖を脂肪に変え、からだに貯め込む働きがあることから、内臓脂肪を中心とした肥満の原因となってしまうのです。さらに、内臓脂肪が過剰に蓄積すると脂肪細胞からTNF-αやレジスチンなど、インスリンが血糖値を下げる働きを鈍らせる物質が分泌されるようになるのです。このことが、食後の高血糖とインスリンの過剰分泌に拍車をかけ、メタボの増悪や糖尿病の発症へと繋がってしまうのです。」(池谷敏 郎先生)
■太らない食べ方の新常識は、 “前食べ”から“混ぜ食べ”へ
「食後血糖値のコントロール法として、食事の最初に野菜を食べて糖の吸収を緩やかにする『ベジ・ファースト』などが注目をされてきましたが、こうした“前食べ”系のダイエットは、日々の食事のなかでうっかり忘れてしまったり、早食いなどが原因で、結局主食の量が減らせなかったりと、人によってはうまく取り入れられなかったのではないでしょうか。そこで、主食に低糖質で食後血糖値抑制効果も期待できる食材を混ぜて食べる“混ぜ食べ”なら、食べ順を忘れる心配もなく、簡単に取り入れられます。“混ぜ食べ”は糖質の含有量が少なく、水溶性食物繊維が豊富で食後血糖抑制効果の期待できる食材が理想です。そこで、私のオススメはブナシメジです。ブナシメジは癖や強い香りがなく、料理において他の食材との相性が良い名脇役です。
「ブナシメジは、様々な主食と合う食材ですので、焼きそばやパンと“混ぜ食べ”しても良いですが、続けやすい“混ぜ食べ”習慣としては、『ブナピーごはん』がオススメです。『ブナピーごはん』は、白い ブナ シメジ・ブナピーとごはんを混ぜるだけの簡単なレシピ です。ブナピーを刻むことで、色も食感も白いごはんに馴染み、自然に毎日続けられる習慣になると思います。」


池谷敏郎先生によると 、 ブナシメジを“混ぜ食べ”すると 3 つのメリットがあるそうです。
① 糖質 の総摂取量 を 1/3 減らせる
「ごはんや麺などを普段の1/3 量にし、代わりに低脂質・低糖質 の ブナシメジを混ぜることで、食事量はそのままに、カロリーや糖質の摂取を抑えることができます。また、 ブナシメジ菌類で食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富なので、一日の栄養不足も調整することができます。」
② 血糖値の上昇を抑え痩せホルモンを刺激
「ブナシメジ に含まれる βグルカンをはじめとする水溶性食物繊維には、糖の吸収を穏やかにする働きがあるので、食後血糖値の急上昇を抑止。下降も穏やかにします。また、水溶性食物繊維を摂取すると 、『 GLP1 』という“痩せホルモン”が小腸から分泌されます。これが満腹中枢に働き、満足感が得やすくなるので、腹持ちがよくなるというメカニズム。また、ブナシメジ の歯ごたえもポイントで、よく噛むことで も 満腹中枢が刺激され、満足感が得られやすいという利点も あります。 」
③ 腸内環境を整え、便通をよくする

「水溶性食物繊維は、腸内細菌により脂肪燃焼効果につながる『短鎖脂肪酸』の材料となります。さらに、水溶性食物繊維によって便通が改善すれば、便とともに古い『胆汁酸』が排泄されます。すると、肝臓では新しい胆汁酸が合成されますが、新しい胆汁酸には古い胆汁酸の働きを上回るパワーが期待できるのです。」
ブナピーごはん 活用レシピ
『ブナピーごはんのガーリック鮭チャーハン』

★材料★(1人分)
ブナピーごはん:150g
塩鮭:1切れ
溶き卵:1個分
刻みねぎ:3本分
ごま油:大さじ1/2
にんにく(すりおろし):小さじ1/2
醤油:小さじ1/2
★作り方★
1:フライパンにごま油とにんにくを入れて中火にかけ塩鮭を両面よく焼き、皮と骨を取り除きよくほぐす。
2:1に溶き卵を入れて、炒り卵を作るように、よく混ぜながら加熱する。
3:ブナピーごはんと刻みねぎを加えて混ぜ、鍋肌から醤油を回し入れてさっと炒め合わせる。
※ごはんを入れたら加熱しすぎないようにしましょう
ブナピーごはんのミルクチーズリゾット

★材料★(1人分)
ブナピーごはん:150g
ベーコン(1 ㎝幅に切る):1 枚
バター:5g
牛乳:1/2 カップ
スライスチーズ:1 枚
黒こしょう:少々
粉チーズ:適量
★作り方★
1:フライパンにバターをひき中火にかけてベーコンを炒める。
2:ブナピーごはんと牛乳、スライスチーズを加え、チーズを溶かしながらひと煮立ちさせる。
3:器に盛り、黒こしょうと粉チーズをかける。