計算された美しい風景が特徴のディズニーシー。
わかりやすいのはランドの「蒸気船マークトウェイン号」。この船に乗っていると、途中で「開拓者の燃える小屋」が出てきますが、これは同時に「反対側にある船の格納場所」に視線を向けさせないようにする意味もあります。
また、「ウエスタンリバー鉄道」の途中にある駅、スティルウォータージャンクションは、反対側にある「管理用道路やカーブミラー」にゲストの視線が向かないようにする効果もあるのです。
ディズニーリゾートの場合、エリアとエリアの境は「橋」や「川」、そしてこうした「トンネル等」で区切られており、別エリアのBGMへ違和感なく移れるように配慮がされています。
これらのエリアの分かれ目は「視覚」だけでなく「聴覚」にも配慮されているのですが、こうした明確な形ではなく、ほとんどの方があまり見ていない場所にもこだわりが施されています。
その場所はシーのミステリアスアイランドからマーメイドラグーンに向かうトンネル。このトンネルを抜けてすぐ「左側」の部分、…と、いわれても、おそらくほとんどの方が、今、想像してみても、どんな光景だったか浮かばないと思います。これは巧みに「視線が誘導されている演出」のひとつでもあるからなのです。
周りが見えない状態の、トンネルを抜けると視界が開け、まず右側方向に通路が湾曲しており、右側にはアラビアンコーストが見え、左側にはマーメイドラグーンに向かう橋(コーラルクロッシング)が見えます。
そしてこの位置からはマーメイドラグーンのキングトリトンキャッスルの壮大な姿が見えます。
じつはこの「橋の作り方」や「左側」に小さな配慮があります。ご存じ、ミステリアスアイランドは「ゴツゴツした岩山のイメージ」があると思いますが、マーメイドラグーンは水や貝などをイメージした「曲線の多い柔らかな雰囲気」があります。
このふたつはいわば「正反対」とも言えるイメージ。そのふたつが隣り合わせになっているという事は、そのエリアの切り替えが難しいという事でもあります。
そこでこの橋をトンネルからまっすぐ作らず、あえて湾曲した橋と通路にして、ゲストの視界をコントロールし、あまり見られたくない所には視線が向かないようにするというテクニックが使われているのです。
さらにこの左側の壁をよく見てみると、ミステリアス側はゴツゴツした壁なのですが、ラグーン側に向かって、「徐々にその壁の色と質感が変わっている」のです。また、その間に葉の部分が多い植栽を植える事で、さらに違和感をなくす形にしている所も細かなこだわりです。
意識しないとまず見ない場所ですが、こうした違和感のないグラデーションでエリアの変化が表されているのですね。
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