“結婚をしてもしなくても、どちらでも心健やかに生きていけるコツ”を綴った『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』の著者・小林久乃さん。今回は特別に著書の中で、好評を得ている『あかん男』というコラムを抜粋して『BEST TIMES』で数回に渡って紹介していく。
さて、その『あかん男』とは? 独特の人間観察視点を持つ小林さんが、ライターという職業柄や数多くの婚活体験を通して出会ってきた「……なんかこの人、おかしくない?」という癖、習性を持った男性たちのこと。さらに同じケースの『あかん男』を何人か集計、性格の動向を見出した分析結果のことを書籍に掲載したところ、大人気。ぜひこの機会に読んで身を振り返って欲しい。ひょっとして、あなたの周りにも『あかん男』が潜んでいるかもしれない……?
『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』より引用)

 例えば借金がある、DV癖がある、浮気をする、実は前科があるなどの訳あり物件の男性を『クズ男』と総称するとしよう。でも中には表面的に分かりづらいけれど、そのクズに到達していないけれど、人間としての危険性をはらんでいる男がいる。その本性がほんのちょっとした言動や風貌で「(……この男、なんかおかしくないか?)」と、第六感を刺激してくる男を何人か見てきた。

 そういった男を総称して個人的に『あかん男』と呼んでいる。中でも、その言動が分かりやすかった数名のエピソードをランダムに紹介していきたい。

 未然に男性災害を防ぐための、防御策をどうぞ。

 

“あかん男”たち⑥

【「(笑)」「 ! 」が好きすぎる男】
▼何かと許容範囲が狭い▼
文章に「(笑)」「!」が多い男たちの“あかん”特徴とは!?~...の画像はこちら >>

 文筆を生業にしていると、届くメールやLINEの内容がつい気になってしまう。使っている言葉、文体、スタンプなどから、何となくパーソナルデータを想像してしまう、いやらしい癖がある。同様に街中のポスターなどを見ていても、つい誤植を探して、見つけると勝ち誇る癖もある。

職業病の症状がてきめんに現れる瞬間だ。

 そんなチェックを怠らずにいたら、ふたつの記号の多用から、ある男性たちの性格が垣間見えてきた。

『こんにちは!  めっちゃ暑いですねー! もう嫌になります!! 小林さんはお仕事で忙しいですか!? 実はちょっとお誘いしたいイベントがあって連絡しました!』

 ある男性からこんなメールが届いた。広告関連の仕事している男性なのだが、PCメールでも、LINEでも『!』の数が多い。

 一般的に『!』は『ビックリマーク』と呼ばれることが多い。ただ出版業界では『アマダレ』と呼ばれていて、主に感情が高ぶった様子を文章で伝える時に使う感嘆符のことを指す。ただ文章を書く立場の人間は、頻繁には使用しない。よく使うとしたら、脚本執筆だろうか。

「ずっと信じていたのに、浮気なんてどういうつもり!?」

「おまえが犯人だったのか!」

 記号の効果を高めるため、ここぞ ! という時に用いるケースが多い。

 それがメールの普及、個人によるSNSを通した文章や写真の発信が多く見られるようになってから、文章へガシガシと参入してくるようになった。おそらく『句読点』としての認識で『。』と同じラインにある気がする。

もしくは絵文字と同じ、記号だと思っているのだろうか。

文章に「(笑)」「!」が多い男たちの“あかん”特徴とは!?~人気女性ライターが感知した“あかん男”たち~

 前出の男性を始め、この『!』乱用をたまに見かける。

 そして会うと皆、理由もなく焦っている人が多い。せっかちというよりは、相手に気を遣いまくった結果として、焦燥感がこちら側に伝わってしまう。

 『!』という、この元気すぎる句読点。文脈を考えずにぶっこんでくる男は、一歩引いて客観視することを勧める。焦っている男と一緒に過ごすのは疲れるから。

『ライターさんなんですね(笑)僕はコンサルやってます。忙しいんです(笑)』

 数年前に真剣婚活をしていたときのこと。ついに婚活アプリに手を出して、メッセージをやり取りした。アイコンの本人の写真は、ロバートの秋山がやや痩せたような男性。彼は大量の『(笑)』を使ってくる男だった。

『(笑)』はここ20年くらいで使われるようになり、『!』と同じく、SNSの普及によって一般化された。決して文法の一部ではなく、造語に相当する。本気で笑っているというよりは、嘲笑する意味として発信されることもある。

 ただそんな詳細まで把握をして使っている人が少ないことも知っている。おそらく乱発をする彼としては、自己表現のひとつだったのでは ?   と思う。もしくは

『おはよう(笑)』

『インドア派なんですか !   僕はどちらかといえばインドア派ですね(笑)気が合いますね(笑)』

 こんな調子だったので、句読点だと思っていたのかもしれない。

 でもどうも鼻につく。『(笑)』のせいで、文章が訴えるべき要素が全く頭に入ってこない。結局本人と会うことはなかった。年収が高いとか、港区に住んでいるとかいうことをアピールしてくるので、ケツの穴のちっさい男だったというのが私の予想。文章とは自分が予想する以上に、パーソナル情報を漏らすものだ。そして雰囲気で使いまくっている記号の数々は、時に醜態をさらすことになることを、覚えておいて損はない。

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