今や映画にドラマにCMに、弱冠18歳の彼女の姿を見ない日はない。
誰もがうらやむシンデレラ・ストーリーを歩み続ける少女の名は、広瀬すず。


わずか2年弱で、広瀬すずは女優として着実にステップアップを続けていった。
そんな順風満帆な彼女の前に、物語史上最大の「強敵」があらわれる。 
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これまでの公開回もチェック!
【第1回】「芸能界って美人さんばっかりなのに…!」
【第2回】「なんで目の前に綾瀬はるかさんが…!」
【第3回】「私、負けるのが嫌いだ!」

 

私は運がいいだけ。本当は
青春なんかしてないです(笑)

 

——そうやって女優に目覚めた広瀬すずのもとに、またビッグタイトルがやってきます。『ちはやふる』ですね。

 

広瀬 そうなんです。あんなに有名な作品を……それまで『海街diary』でも『学校のカイダン』でも、役作りってしてこなくて。でも主人公の綾瀬千早って、私とイメージが違いすぎて。それに原作ファンの方がいっぱいいるじゃないですか。そういう方の声とかを聞いて、普通にショックを受けてました。でも、たくさんの方に届けたい気持ちは強くなりました。

 

——主人公・すず。

相当、戦いました(笑)。

 

広瀬 戦いというよりは…現場がすごく楽しくてそれに救われました。共演者みんなとのつながりも強くて。あのメンバーがひとりでも違ってたら、絶対にあの体温になっていないってくらい。あっという間に終わった感じでした。オールアップしたときに、「え? あっという間に終わっちゃったけど、大丈夫かな?」って思うくらいに駆け抜けました。でも、自分のなかで役について考えるだけじゃなくて、現場の温度をものすごい感じて。「周りとの会話のやり取りでできるもの」っていうものを実感しました。ちゃんと台本の最後までを知ってから撮った、はじめての映画だったので、またドラマとは違うって思いました。

 

——でも、主人公・すずもここまで駆け上がってくると、有名になってくるわけじゃないですか。実感はありました?

 

 

広瀬すず、はじめての告白。【4/5】「心がぐちゃぐちゃにされるよって聞いて…」
『ちはやふる』
​広瀬すず、初の単独主演映画。二部作となっており、『ちはやふる 上の句』は2016年3月、『ちはやふる 下の句』は、同年4月に公開。
さらに続編の制作が発表された。広瀬は、作品のために長時間かけて練習。ここから「広瀬すずは、映画のためにめっちゃ練習する」という伝説が始まった。

 

広瀬 最初は『セブンティーン』のモデルだけだったので、たまに10代の女の子が声をかけてくれることはあったんです。でも、『ゼクシィ』さんのCMに出させていただいて、幅広い世代の方が声をかけてくれるようになり、小さい子供や大学生の男性に声をかけられるようになっていって。…不思議な気分でした。

 

——『ちはやふる』や、今回の『四月は君の嘘』もそうですが、「青春ヒロインを演じるなら、広瀬すず」という声も聞きます。主人公・すず、実力も人気もすごいです!

 

広瀬 最初に言いましたけど、運が良いだけなんです。でも、世の10代の中で、ある意味、一番青春してないんじゃないかって思うんです。「リアルな青春の日常って、どれ?」って感じです(笑)。

 

——そして、『四月は君の嘘』とほぼ同時に公開される『怒り』では、今までの広瀬すずのイメージをブチ壊すような体当たりの演技にも挑戦しています。

 

広瀬 ……『怒り』は、今までやってきて、それなりに手に入れたものを持って現場に行ったら、全部「そんなんじゃねぇんだよ!」って顔面パンチをもらった感じです。

で、なんとか前に進んでも壁があって進めない、みたいな。でも、そこで倒れたら負けだから、殴られても立っていようって思ってました。

 

——相当な強敵だったんですね。

 

広瀬 はい。映画で必要だったんで、船の免許を取ったんです。沖縄で撮影してたんですけど、劇中、船のシーンになると、「このまま逃げてやろうか。これで私が逃げたら、監督困るでしょ!」って、喧嘩腰でした。

 

——(笑)。『怒り』には、かなり自分を追い込んだシーンもあると聞いています。

 

 

広瀬すず、はじめての告白。【4/5】「心がぐちゃぐちゃにされるよって聞いて…」
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広瀬 そうなんです。で、そのシーンを撮るまで、時間をかけて気持ちを作ってたんですけど、撮る直前に監督にひと言、「心がぐちゃぐちゃにされるよ」って言われたんです。そしたら、そこから心が本当に〝死ぬ〟っていう感覚になって。

「ウワーー」って声が出ちゃって、そのまま撮影に入ったんです。もう心が本当にぐちゃぐちゃになっちゃって。終わった後、本当に立てなくて。口の中に砂も入って、地面に寝っ転がって、何時間も泣いてました。その後に、監督が「終わったね」って声をかけてくださって、そしたらパッて現実に戻って。すごい……経験をしたなって思いました。

 

——……すごい戦いですね。

 

広瀬 なのに、オールアップの後、「また、この監督と仕事したいな」って思ったんです。でも同時に2~3年はご遠慮したいなと(笑)。

 

——『怒り』で学んだことってなんですか?

 

広瀬 『人間は何があっても死なない』ってことを知りました。

 

——いいですね、それ!(笑)

 

広瀬 ですね(笑)。そう思えば生きていけるって。

 

このロングインタビューのダイジェスト版は、
8月24日(水)発売の『ストリートジャック』10月号でも読めます!

 

映画『怒り』
9月17日(土)全国東宝系にてロードショー!
広瀬すず、はじめての告白。【4/5】「心がぐちゃぐちゃにされるよって聞いて…」
写真を拡大 ©2016映画「怒り」製作委員会

日本を代表する豪華俳優陣で挑む、新たな傑作!

八王子で起こった夫婦殺人事件から一年後。千葉、東京、沖縄、それぞれに現れた前歴不詳の3人の男の中に、逃亡を続ける殺人犯はいるのか? 広瀬は男の一人である田中(森山)に無人島で遭遇する、沖縄の女子高生・泉を熱演している。監督・脚本:李相日 原作:吉田修一(中央公論新社刊) 出演:渡辺 謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野 剛、広瀬すず他 配給:東宝

詳しくはホームページをチェック! http://www.ikari-movie.com/

 

映画『四月は君の嘘』
全国東宝系にて絶賛公開中!
広瀬すず、はじめての告白。【4/5】「心がぐちゃぐちゃにされるよって聞いて…」
写真を拡大 ©2016映画『四月は君の嘘』制作委員会 ©新川直司/講談社

一つの嘘が奇跡を起こす、切ないラブストーリー

母の死を境にピアノが弾けなくなった天才ピアニスト・有馬公生(山﨑)はある日、ヴァイオリニスト・宮園かおり(広瀬)に出会う。勝気で奔放だが、自由で楽しげに演奏する彼女に惹かれていく公生。しかし彼女はある秘密を抱えておりーー。監督:新城穀彦 原作:新川直司(講談社「月刊少年マガジン」所載) 出演:広瀬すず、山﨑賢人、石井杏奈、中川大志他 配給:東宝

詳しくはホームページをチェック! http://kimiuso-movie.jp/

 

Profile
広瀬すず
1998年6月19日生まれ、静岡県出身。ドラマや映画、CMに多数出演する傍ら、雑誌『Seventeen』専属モデルとしても活躍。TFM『SCHOOL OF LOCK! ~GIRL LOCKS!~』(毎月第2週担当/月~木22:15~)ではラジオのレギュラーパーソナリティも務めている。右の最新出演作に続き、2017年春公開予定の主演映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』が控える。

 

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