日本の性風俗の世界では、年々進行する男性客の高齢化に対応するかたちで、在籍女性の大半が60歳以上という、いわゆる「超熟女風俗」が増加傾向にある。
超熟女風俗店の在籍女性の中には、70歳代の方や80歳を超える元気なおばあちゃんもいる。全国各地で「超熟女風俗」が増えているのだが、その魅力を存分に味わえるのは、なんといっても東京の巣鴨だろう。
巣鴨の「超熟女風俗」は、待ち合わせ型のデリバリーヘルスが多い。これは、男性客が駅前やお店が指定する場所でコンパニオンと待ち合わせをして、一緒にラブホテルに向かうという業態である。
巣鴨に立地するラブホテルの多くは、入口から部屋に行くまでの段差がほとんどなく、バリアフリー対応になっているので、足腰の弱いシニア層でも利用しやすい。
「超熟女風俗」の客層の中心は、年金や生活保護を受けるシルバー男性で、種々のコスプレの中でも、古き良き昭和の時代を彷彿とさせる「かっぽう着」姿のコスプレをリクエストする人が多い。
料金は1時間9千円程度で、数ある性風俗店の中でも非常にリーズナブルなお値段と言えるだろう。
また在籍女性の中には、亭主に先立たれてしまい、身体が夜泣きをして寂しいという理由からこうした店で働いているケースも少なくない。お金とは無関係に、人恋しさから、あるいは自分自身が楽しみたくてこの仕事をしているということなので、普通の性風俗店と比べると、サービスの充実度は半端ない。
客層はシルバー男性ばかりかと思いきや、若い男性客がつくこともある。子供のとき、大好きだったおばあちゃんが亡くなってしまい、シニアの風俗嬢と一緒にいることで、あのときできなかったおばあちゃん孝行をしているような気分に浸れるという理由から「超熟女風俗」に足繁く通う若者もいる。
また、おばあちゃんの風俗嬢は総入れ歯になっていることが多いのだが、入れ歯を外して歯茎だけでしてもらうフェラチオが想像以上に気持ちよくて、病みつきになって「超熟女風俗」に通う若者もいる。
ただ、おばあちゃんばかりが在籍する「超熟女風俗」は、売春防止法に違反していることがあり、警察にマークされやすいという問題も抱えている。
体力的に素股などのプレイが難しく、男性客を手っ取り早く満足させるために、禁止されている本番行為をしてしまうからだ。生理も上がっているので、避妊具をつけずに本番行為ができてしまうということもある。
実際、警察に摘発された事例を挙げておこう。まず、2010年には、東京・巣鴨の売春クラブ「淫美(いんび)テーション」が売春防止法違反(周旋)の容疑で摘発された。この店では、30代から60代までの女性従業員数十人に売春をさせて、5年半の間に1億6000万円を売り上げていたという。
また、2013年6月には、在籍女性の平均年齢が63歳という超熟女専門店『シルク』が売春防止法違反で摘発された。経営者の女性(当時63歳)は、2001年以降、3億2千万円以上の売り上げを記録していた。
警察の摘発が増えてからは、「超熟女風俗」を大々的に宣伝する店は少なくなったが、男性客と風俗嬢の高齢化が同時進行する中、「超熟女風俗店」の市場はまだまだ拡大していくとみられる。