独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。大学野球、社会人、プロ、米独立リーグ……さまざまな経験をした仁志敏久氏が感じる「生き抜くため」に必要な力。
Q7.不透明な時代、どんな哲学が自分の身を助けると思いますか。
――さまざまな経験をされてきた仁志さんですが、いまの20、30代といったこれからの時代を担う人たちに思うことはありますか。
仁志 一番難しい質問ですね(笑)。何かなあ……僕も現役のときはそうだったんですけど、な若いときってその日、その日をどうしていくかで精一杯で、あまり先を見ることができなかったので、目的とか目標はつねに設定しておいたほうがいい、と思いますね。子どもにはなすとき、「将来の夢」ってよく語らせますけど、大人もそれは一緒だと思うんです。僕自身、大事にしていることなんですけど、大人だからって将来がないわけじゃないですよね。だから、いつまでも将来の夢は持っていたほうがいいなと思う。当たり前ですけど、生きている間はずっと将来がある。子どもたちにばかり将来の夢を語らせるのではなく、大人だって将来あるんだから、そしたら将来の夢は考えたほうがいいんじゃないの?って思う。
――たしかに、そうですね……。
仁志 あとは前にも言いましたけど、感情的にならないこと。その場その場の感情で、後先を考えないような言動をしてしまうと、その言動の結果は、どっちに転ぶか分からない「賭け」なってしまう。
――どの世代にもいえることですね。
仁志 特に偉くなった人はそうだと思います。本当に賢い人は褒められても別に喜びもしないと思います。うれしいでしょうけど真に受けない。批判があることも重々承知のうえで行動しますよ。松井秀喜なんかはその典型だったと思います。褒められても、決しておごらず下のほうからうまくかわすというか、受け取る。なんでそうできるのかっていえば、自分が分かっているからなんです。