『一個人』2017年6月号では、部位により違う脂の乗りなど、切身、干物、丸魚のカテゴリー別に解説! 今回はその中から刺身用・柵について、おいしい魚を見分けるプロの方法をお伝えしたい。◆筋の入り方、柵の形で部位を見分ける
マグロ、カツオは、魚体が大きく、柵で売られることが多い。
sakana bacca接客グループマネージャーで、お魚マイスターの資格を持つ小木勇樹さんによると、「特にマグロは体長1mを優に超えるため、赤身、中トロ、大トロと部位で分類された中で、さらに切り分けられます。同じ部位で同じ価格でパックされていても、柵の形はさまざまですよね? 脂の乗りや筋の入り方に違いがあるので、ある程度知識を持っていると、より鮮度が良く、筋が少なく滑らかな食感のものを選べるようになりますよ」。
また、マグロは冷凍ものも多い。ラベルに表記してあるので必ずチェックを。
「解凍の仕方で味が違ってきます。ちゃんとしたものは、パックにドリップが出ていません。また、身の端が縮れているものがありますが、これは死後硬直で身が縮む前に冷凍された証拠。つまり鮮度がいいということです」。
カツオは、餌を求めて黒潮に乗り、北上する春から初夏のカツオと、栄養を蓄え産卵のために南下する秋の戻りガツオの時期では脂の乗りが違うことも覚えておこう。
~おいしいマグロの柵の特徴~①筋が平行で柵の形が長方形
筋と筋の間が平行になっていれば、頭や体の中央部分ということ。
赤みの部分は透明感があり鮮やかな赤色をしているのが良い。脂が乗った部分は、うっすら白い脂が細かく入ってピンクに見える③ドリップが出ていない
パックにドリップが出ているのは、解凍の仕方が悪い、もしくは解凍後時間が経っているから。柵の端がだらんとしているのも避ける。
~おいしいカツオの柵の特徴~①血合いの色が濁りなく鮮やか
身は鮮やかで透明感があるものが新鮮。骨に近い血合いの色は時間が経つと酸化して黒ずんでくる。血の味も濃くなるので避ける。②皮と身の間に薄いピンク色の脂がある
脂が乗っているかどうかは、皮と身の間をチェック。さっぱり味なら背側、こってりなら腹側をと好みで選び分けよう。
〈『一個人』2017年6月号より〉