お菓子教室やテーブルコーディネートの研究家で知られる今田美奈子と美内すずえ(画)の共作、『もしもあなたがプリンセスになったら』では、スパルタの授業内容が実際のエピソードが紹介されている。

◆ムチを持った魔法使いのような老婦人の教師

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 会話は良き人生を歩むために大切です。

天候や自己紹介、互いの趣味等は良いのですが、政治宗教についての話はできるだけ避けます。

 私が若い頃、イギリスのロンドンのフィニッシングスクールで一ヶ月ぐらい毎日学んだことがあります。そこは貴族の娘さんたちを指導することで定評のあるプリンセス教育の学校です。

 40分ぐらいずつの授業で、プロトコール・マナーは勿論、ダンスからテーブルセッティングまで交際術のひととおりを学びます。

 一コマずつ必ず出欠をとられます。遊びに出かけたくてしかたのない若い女性たちを見張るのが先生たちの任務です。このスクールに「会話」を指導する授業があります。

 まず、アットランダムに2人ずつ向かい合って腰かけます。5分間ずつ片方が相手に話をします。タイムがくるともう片方が今まで話した相手に5分間話します。テーマは「きのうの日曜日のこと」など決められることもあります。

 言葉は何語でも構いません。

さてこの授業の教育の目的は相手の話をきくこと、そしてそのきき方の態度などです。黒っぽい衣装の魔法使いのような老婦人の教師がムチを持って見まわっています。そしてときどき肩をピシッとたたくのです。相手が話している間、きき手の相手のほとんどは自分の番がきたら何を話そうかと考えているからです。

 必ず見破られてムチがとんでくるのです。

 人の話を一生懸命きく態度こそ最も大切な会話の原点です。

『もしもあなたがプリンセスになったら』より構成)

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