東京ディズニーリゾートの楽しみといえば、アトラクションやショーだけだと思っていませんか? しかし、十数年パークに通うディズニーブロガーのみっこさんは、「アトラクションやショーの魅力はもちろんですが、ふとした光景に隠れているこだわりを見つけるとパークで味わえる感動は何倍にもなる」と言います。最新刊『思わす話したくなる究極のディズニー』より、パークの非常時にまつわるエピソードを紹介します。
◆ゲストから見えない場所に救急車と消防車が常駐している

 多くのゲストが集まるパークはどんな緊急事態が生じるかわかりません。そのため、パーク内に「総合防災監視センター」が設置されており、消防車と救急車が常駐しています。

ディズニーランドで火事が起きたら消防車はどこから来るのか?の画像はこちら >>

 これはパークを運営する株式会社オリエンタルランドが、ディズニーリゾート内で火災等が発生した時や傷病人が出た時に備えて、迅速な消火活動や救助を行うために配備しているもの。

 消防車、救急車は普段はゲストから見えないバックヤードにいますが、非常時にはパーク内外に出てきたり、近辺を移動している姿を見ることもあります。

 大規模な放水作業をともなうような火災は過去にありませんが、ランドの「スイスファミリー・ツリーハウス」で小火(ぼや)が発生(2008年1月)したり、シーの「エンポーリオ」で小火が発生(2012年6月)、またマーメイドラグーンで小火が発生(2017年2月)したことがあります。

 迅速な対応と十分な備えのおかげで、いずれもけが人が出るような規模にはいたっていません。ちなみに、これらの車両は自治体が所有するものではないため、消防車と救急車なのに、車体の脇に「東京ディズニーリゾート」や「Oriental Land Co. Ltd.」のマークが入っています。普段はパーク内のゲストからは一切見えませんので、見かけることはかなりまれだと思います。

 もちろんこれらにお世話にならないことが一番ですが、多くの人々が集まる巨大テーマパークには備えがしっかり整えられているのです。
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◆あちこちに救急ストレッチャーや車椅子が収納されている

 救護室や救急車だけでなく、パーク内には緊急時にゲストを乗せるストレッチャー(車輪付きの簡易ベッド)や車椅子が収納されている場所があります。

 その場所のひとつがディズニーシーのアメリカンウォーターフロントにある「ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ」の駅舎付近、ホームから1階にゲストが降りてくる南側階段の下です。

 もちろんゲストが自由に使えるものではありませんが、この場所に限らず、必要に応じて迅速にキャストが対応してくれます。

◆世界観を壊さないために消えている非常口の誘導灯

 地震や火災の時に避難通路となる非常口。もちろんパーク内の施設等にも、法律に基づいて必ず設置されています。レストランやショップだけでなく、アトラクションも当然対象になっています。

 ここで皆さんに思い浮かべていただきたいのですが、これまでに乗ったアトラクション内に、非常口の誘導灯を見つけた記憶はあるでしょうか。おそらくほとんどの方がイメージできないのではないかと思います。

 実はこの誘導灯、通常時は消灯しており、緊急時にだけ点灯する仕組みなのです。
 法律(消防法施行規則)上は常時定められた以上の明るさで点灯させておかなければならないのですが、アトラクション等の「利用形態によりとくに暗さが必要である場所」(同規則第28条の3)では、緊急時に点灯する仕組みがあり、一定の基準を満たしていれば、消灯しておくことができるのです。

 さらに、より目立たなくするために、非常口の反対側にゲストが注目するようなフィギュアを置くなど、視線を誘導する工夫がされています。あるいは、非常口が通路を曲がった先にあるなど、その存在が表に出てこないようにされていることもあります。

 必ず設置しなければならない非常口や誘導灯にも、雰囲気を壊さないための最大限の配慮がされているのがディズニーらしいですね。

〈『思わず話したくなる究極のディズニー』より構成〉

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