「日本人がマッチョだと海外で超評価される。海外における日本人のイメージは華奢・気が弱い・頼りないなので体を鍛えておくだけで『こいつは一味違うな』と思わせる事ができる。
そう、筋肉あればなんとかなる」などのツイートが多くの支持を集め、「マッチョ社長」として熱狂的なファンを抱えているTestosterone氏。そんな氏がこの度、筋トレではなく、「食べ方」について書いた『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』が話題になっている。ダイエットにおいて、なぜ「食べ方」が重要なのか。それは有酸素運動の効果は限られているからだ。ランニングで10km走っても消費するのはたったの600kcal
ランニングで痩せられると思ったら大間違い。マッチョ社長が「数...の画像はこちら >>
 

 ダイエットをする際に忘れてはならない大原則、「摂取カロリー<消費カロリー」。この原理原則に従えば、消費カロリーを増やすこともダイエット成功への近道となる。そのため「やばい、最近太ってきたな……」などと思ったとき、一番にランニング(有酸素運動)を始めてみる人は多いだろう。事実、週末になるとよくランナーを見かけるし、ジムにはランニングマシンがずらりと並び、多くの人が汗を流しながら走っている。

 このランニング、初心者でも始めやすいエクササイズであり、カロリー消費以外にもリフレッシュや趣味として楽しめる側面がある。実際に私も行っているし、とてもいい運動であることに間違いはないのだが、「ランニングを主軸としたダイエットが効果的か?」と聞かれたら、答えはノーと言わざるを得ない。その理由は、実際の消費カロリーを見てもらえばすぐにわかってもらえるはずだ。

 ランニングの消費カロリーはおおよそ「体重×距離(㎞)」である。

たとえば、60㎏の人が10㎞走ったら600kcalの消費になる。10㎞走るのはだいぶしんどいが、消費カロリーはたったこれだけなのだ。

 一方で、みなさんは体脂肪を1㎏落とすのに、何kcal消費しなければならないか、ご存知だろうか。

 答えはずばり、約7200kcalだ。体重60㎏の人が体脂肪を1㎏落とすには、単純計算で120㎞走らなければならない。120㎞、つまりフルマラソンを約3回走って1㎏の体脂肪が燃えるイメージになる。どうだろう、気が遠くなる数字ではないだろうか?

もう一度自分自身に問いかけろ。「ダイエットの本来の目的は何か?」

 ランニングはたしかにダイエットには非常に効果的だが、このようにランニングのみのアプローチでは効率が悪いと言わざるをえない。ダイエットに励む人には、摂取カロリーには敏感なのに、消費カロリーに注意を払っている人が少なく感じてしまう。

 また、運動量を増やして食事量を減らしたのに、体重が減らなかったり、鏡に映る自分が少し太って見えるなんて経験はないだろうか? それは、身体は体脂肪と一緒に筋肉も分解してしまうからだ。筋肉が減れば、身体にハリがなくなりだらしない体になってしまう。しかも、同じ運動をしても消費するカロリーが落ちてしまう。

結果的に、以前と同じ距離を走っても、消費カロリーは減っていく。やっぱり効率が悪い。

 筋肉はカロリーを非常に効率よく消費してくれる存在だ。体脂肪を燃やしてくれるのは筋肉なのに、体重を減らすのに必死なあまり筋肉を犠牲にしてしまうから、そんな悲しいことになる。

 ダイエットをしている人、ダイエットを考えている人に改めて聞きたいことがある。それが、「ダイエットの本来の目的は何か?」ということ。多くの人が「体重を減らすこと」だと思っているだろうが、単純な体重減が本来の目的ではないはずだ。真の目的は、美しい身体を手に入れることだろう。ダイエットをする際、ほとんどの人は体重計の数字ばかり気にしてしまう。だが、体重の増減だけをダイエットの成功の指標とすることは間違ったやり方だ。

まずは筋肉をつけて代謝を向上させろ。走るのはそれからだ

 だからこそ、過度な食事制限をしながらランニングをすることはやめてほしい。

そんなキツいダイエットを我慢しながらやっても、待っているのは「太りやすく、痩せにくい身体」。そして、もし代謝が落ちてしまった後で、ランニングと食事制限をやめてしまうと、ダイエット開始前より太ってしまうなんてことになりかねない。

 ダイエットをする際、運動と食事は両輪である。極端な運動や食事制限をしてはバランスが崩れてしまう。運動すればするだけ、カロリーを減らせば減らすだけいいというわけではない。ランニングをして痩せたいのであれば、そのアプローチはやはり、筋肉をつけて代謝の向上を主軸としたうえで行ったほうがいいのだ。

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