今回インタビューしたのは、舞台女優として活躍している松島千恵子さん(仮名)。
フェミニンなショートヘアと人懐っこい笑顔が印象的で、面倒見の良い優しいお姉さんというイメージ。話してみると意外にもおっとりとしていて、たまに見せる天然な発言が彼女の魅力をより引き立たせていると感じる。
芸能活動は舞台を中心に行っているが、その他に司会業やナレーションなど様々なことに挑戦している。そんな彼女の経歴の中で、ひときわ目を引くのが数年前に出した写真集だ。なんとそこでは、彼女は大胆にも上半身ヌードを披露している。
なぜ主に舞台女優として活躍している彼女が、グラビア、しかもヌードに挑戦したのだろうか。
舞台の楽しさに魅せられて芸能の道へ
「高校は演劇部で、地区大会にも何度か出場したことがあります。その時は芸能とか全然興味なかったんですけど、20歳の時に地元の劇団にスカウトされたんですよ。高校演劇の大会で私を見て、ずっと印象に残っていたんですって。
もっといろんな活動をしたい。そう思った彼女は、大学を卒業してから上京した。
「東京に来て最初の仕事は、やっぱり舞台でした。ネットで見つけた舞台のワークショップに参加したら、舞台に出てみないかって言われたんです。そのあともオーディションや共演者のツテで、舞台や映像関連のお仕事を主にしていました」
東京での本格的な活動を始めてから数年後、彼女にとって転機となる仕事との出会いがあった。
テレビ番組で水着を披露して人気に
「舞台で知り合った裏方のスタッフさんに誘われて、とある番組にレギュラーとして出演したんです。グラドルさんと共演することが多くて、なんだかんだで私もコスプレしたり水着になったりしてました」
今まで女優として活躍していた彼女が、全国放送で水着を披露。抵抗はなかったのだろうか。
「うーん、もちろん最初は抵抗しましたよ。でもその番組に出演している女の子がほぼ全員水着でしたし、むしろ服を着ている方がおかしいのかなって。私が水着になることで番組が盛り上がるのなら、まぁいいか、って感じでした」
水着を着て毎週番組に出演したところ、たくさんの反響があった。
「番組に出演してから、ツイッターのフォロワーが劇的に増えたんですよ。水着になる前は2桁だったのに、一気に4桁になりました!番組を見て、舞台に来てくれる人も何人かいましたしね。そんな私の人気に目を付けた番組スタッフが写真集を出さないかってオファーしてくれたんです。でも、出演の条件は上半身ヌードになることでした」
ヌードになると決意。周囲の反応は?
水着になることだけでも抵抗があったのに、初めての写真集でいきなりヌードを求められた彼女。その時の心境はどうだったのだろうか。
「最初はやっぱり嫌でしたよ。でも知名度もなく、めちゃめちゃ可愛いわけでもない私が、水着の写真集を出したところで売れないってスタッフさんに言われました。思わず、『確かに』って(笑)数日間悩みました。出した結論は、オファーを受ける。上半身ヌードの写真集を出すことで私のファンが今以上に劇的に増えたり、知名度がアップしたりするのなら、やる価値があると思ったので 」
彼女の写真集についてはブログを通してファンはもちろん、家族や彼氏、共演者たちにも伝わった。反応はどうだったのだろうか?
「けっこうメジャーな出版社から出る写真集だったので、ファンや共演者はおめでとう、って言ってくれました。
知識がないまま撮影の現場へ
様々な思いを抱えつつ、撮影に挑んだ彼女。撮影中はどうだったのか聞いてみた。
「最初はカチコチでした。でも段々と撮影に慣れてくるとポーズとかもできるようになって、カメラマンさんに褒められたのを覚えてます。ただ泊まりでの撮影の時は生理と重なってしまって本当に散々でした。生理痛のせいでほとんど動けなかったんですが、よく無事に撮影終了できたなって思います」
実際にヌードを撮影する時は、何か心境に変化はあったのだろうか。
「部屋から上着を着て出て、指定された場所で脱ぐんですよね。だから部屋から出る瞬間は本当に緊張しました。ただオドオドしてたらスタッフさんに怒られるので、滞りなくやろうと頑張りました。嫌だって言ったところで、もう人が動いているので止められないですし。
ただ、撮影中に『こうしておけば良かった』と思ったことがあったという。
「私、撮影の知識が全然なくて。前貼りという存在を知らなかったんですよ。撮影スタッフ全員に上半身だけでなく下半身も私のありのままが見られちゃって(笑)。今思い出しても、本当に恥ずかしいです。ヌード撮影をする時は、必ず前貼りは必要だなって。あと、生理が撮影と被ったらピルを飲むのも鉄則ですね」
写真集は全国で大々的に発売!しかし…
まさに身を粉にして撮影した彼女の上半身ヌードは有名週刊誌にも掲載され、発売後はイベントも開かれた。しかし、結果は芳しくなかった。
「残念ながら、売れなかったですね。写真集を出したことでファンが増えたり、仕事が増えたりすることはありませんでした」
決死の思いでヌードの挑戦するも、効果はあまり出ず。その結果をどう受け止めたのか。
「うーん…まぁ結局、私のヌードは求められてなかったんだなって。
現在は引退も視野に入れつつ活動
最後に、写真集のオファーをもらった時に戻れたらどうするかを聞いた。
「やらないですね!ヌードをやって良かったことといえば、自分の経歴に書けるくらいですから。あの時の自分は本気で悩んで、これが正しい道だと思って突き進みました。だから、後悔はしてません。ただ、もう一度やるかって聞かれたら、絶対にやらないです」
現在は番組も終わり、グラビア関連の仕事とはまったく関わりがなくなっているという。
「今は舞台を中心に活動してますが、正直そっちもあまりうまくいってなくて。今は引退も考えています。もう年だし、普通に働いて普通に結婚した方がいいかなって。でも、やっぱり演技するのが楽しい。
紆余曲折ばかりであっても、演技の楽しさを忘れない。そんな純粋な彼女だからこそ、芸能活動を続けていてほしい。そう願うのは私だけではないはずだ。