どこもかしこも「インスタ映え」ブーム。その影響は、年間3000万人もの人が集まる東京ディズニーリゾートにも拡大し、SNS時代ならではの新しい楽しみ方が生まれているのだとか。
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 老若男女が幅広く楽しむ事ができる東京ディズニーリゾート。ショーやアトラクションだけでなく、ショッピングや個性的なレストラン、そして食べ歩きフードなど、ゲストの需要に合わせたさまざまな楽しみ方が存在します。

 2018年4月には、35周年の大きな節目を迎える東京ディズニーリゾートでは近年、「パークが提供する楽しみ」に加えて、「ゲスト自身がつくり上げる新しい楽しみ」が見られるようになりました。

 それは、「インスタ映え」の言葉に代表されるように、楽しむ自分たちをアピールするという、SNS時代ならではの楽しみ方です。

 例えば、「おそろコーデ」や「○○ディズニー」など、人目につく同じ格好や奇抜な服装でパークに来場するというもの。近年はメディアでも「若者のおもしろおかしい流行」として紹介される事が多くなってきています。

 近年のこうした傾向には賛否両論ありますが、これはこれで「現代のパークの新しい楽しみ方」であり、否定すべきものではないと思います。一方で、内容や程度にもよりますが、嫌悪感を持たれている方も存在します。とくに長年にわたってパークに通っている方や、比較的年齢層の高い方を中心に望ましくない行為と感じている傾向が見られます。

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 東京ディズニーリゾートの公式サイト内にある「皆様に楽しく安全にお過ごしいただくために」というページには「入園にふさわしくない服装」は「固くお断り」と表記されています。ただ、服装に関してハロウィーンイベントの仮装期間以外については、明確な規定はありません。

 なぜか漂う「ディズニーだから何でも許してくれるだろう」という偏った発想から、自分が楽しむためなら何でもしていい、好きな格好で楽しんでいい、という考えに行き着くのかもしれません。

 また、奇抜な服装で楽しむ来場者の一部には、見栄えの良い写真を撮りたいがために、一般的に考えて不適切な場所に乗ったり立ち入ったりするという危険な行為も見られます。

 パーク運営側は現在、こうした傾向に公式的な見解を明確に示してはいませんが、危険防止のための対策を部分的に行っている様子が確認できます。例えば、シンデレラ城正面の高い位置にある柵は、「SNS映え」写真の定番スポットになっていましたが、ギザギザした形状の柵を新たに設置して上れないようになりました。

 問題なのは、ディズニーリゾートはその独特の世界観やイメージを楽しみに訪れている方も多くいることです。悪意はなくても「奇抜な格好をする」という行為が結果的にパークの景観やイメージを台なしにしてしまい、ほかの来場者の嫌悪感につながってしまっている傾向もあります。

 もちろん「奇抜な格好」と「危険な行為」は、切り離して考えるべき問題ではあります。ですがパーク側が定めているルールを知らない方がこれらの行為を助長してしまう、という点で両者は共通しており、あわせてネガティブな評判になっている部分もあります。

 また、前述の通り、メディアもおもしろおかしく「〇〇ディズニー」「これが若者の間で流行っている!」というようなキャッチーな見出しで伝え、まるで大多数の若者がやっているかのように、誤解を招く取り上げ方をしているケースもあります。

 その結果、危険な行動をする人はごく一部にもかかわらず、「奇抜な格好=マナーが悪い」という誤解をいっそう広めてしまい、ますます否定派の嫌悪感が拡大する傾向になっています。

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 いつの時代も、若者文化は社会に受け入れられないことが多いものです。これからも少なからずあるでしょう。

 ただ、ここで新しい文化への「過剰な拒絶反応」へも触れておきたいと思います。

 一例を挙げますと、ディズニーランドでは現在、シンデレラ城の前で寝そべりながら撮影を楽しむ人々がいる、というのが見慣れた光景になっています。これに対し、この光景を撮影し、「そこで撮影するな!」「邪魔だ!」と乱暴な口調でネットやSNSにアップする過剰な曝し行為を行うケースも見られます。

 もちろん通行に支障を生じさせる行為や、周りに迷惑をかける行為、ルール違反は許されるべきものではありませんが、非難するだけでなく「パークの新しい楽しみ方」として理解する事も必要なのではないかと思います。

 SNS全盛期の現在、「『リツイート』や『いいね!』の数が多いことが正義」とされる風潮があり、とくに多くの人が集まるディズニーリゾートでは起こりやすいといえます。

 新しい事実が出てくると、擁護する人間と、否定する人間が必ず存在しますが、あくまで個人が感じている事なので、どちらに対しても完全否定する事はできません。そして、様々な想いや期待を抱えて多くの方が訪れる東京ディズニーリゾートには、多様な考えが集まるため、「あの行為は許せない」「私が正しい」という感情が相互に生まれるのも当然の事です。

 しかし、何よりも大切なのは、せっかくの非日常の空間を気持ちよく、ゆっくりじっくり楽しむことでしょう。そのためには、過剰な反応をせず、周りに配慮もしながら、お互いに広い心で楽しむ……というのが、このSNS時代の最適な過ごし方と言えるのではないでしょうか。

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