米国のインフレ鈍化が確認されたにもかかわらず、ビットコイン(BTC)価格は軟調な推移を続けている。市場では、日本銀行の政策金利決定を控え、いわゆる「円キャリートレード」の巻き戻しリスクを警戒する動きが広がり、投資家心理が慎重に傾いているとみられる。
19日午前9時35分時点、コインマーケットキャップによると、ビットコイン価格は前日同時刻比1.12%安の8万5309ドル(約1329万円)となった。
前日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回ったものの、ビットコイン相場は弱気基調を継続している。
一般的に、物価上昇率の鈍化は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を高め、リスク資産への投資意欲を後押しする要因となる。
米労働省が18日(現地時間)に発表した11月のCPIは、前年同月比で2.7%上昇し、市場予想の3.1%を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比2.6%上昇と、市場予想(3.0%)を下回る結果となった。
それにもかかわらず、暗号資産市場では日本銀行の金融政策決定を前に様子見姿勢が強まっている。市場では、日銀が政策金利を0.25%ポイント引き上げ、0.75%とする可能性が意識されており、実現すれば1995年以来およそ30年ぶりの高水準となる。
こうした見通しを背景に、一部では円キャリートレードの清算が進む可能性への懸念も浮上している。低金利の円を調達して仮想通貨などのリスク資産に投資してきた取引が、金利引き上げによって魅力を失い、大規模なポジション整理につながる可能性があるという。
先に暗号資産アナリストのMac D氏は、「短期的なビットコイン価格は、米国の雇用・物価指標に加え、日本の金利決定といった主要なマクロ経済要因に大きく左右される可能性が高い」との見方を示している。

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