現在、毎週日曜夜8時~放送されているNHK大河ドラマ『八重の桜』の主人公・八重は、川崎尚之助と最初の結婚をし、2度目に同志社大学の創始者で初婚の新島襄と結婚する。新島は八重を性格がハンサムだと持ち上げる愛妻家で、日本でトップクラスの私立大学、同志社大学の礎を築いた。八重は新島にとっては良妻であり、新島の成功には八重の力が大きく影響を与えている。
「夫初婚、妻再婚」のカップルは、意外と夫の仕事を成功に導き、夫を出世させている。政治の世界でも、“今太閤”と呼ばれた田中角栄元首相も初婚で、再婚のはな夫人と結婚している。田中元首相はロッキード事件等により、志半ばで政権を去ったが、学歴がなく総理大臣に上りつめ、退陣後も影響力を残した。
田中と政治的に対極に位置した、共産党の委員長、議長を歴任した宮本顕治も初婚で、再婚の作家・宮本百合子と結婚している。
民主党政権で総理大臣になった鳩山由紀夫も初婚で、再婚の幸夫人と結婚している。資産家の鳩山とたたき上げの田中が初婚で、再婚の女性と結婚している。出世に育ちはあまり関係がないように思われる。
政界にはまだ同様のカップルがいる。橋本龍太郎元首相の弟で、元高知県知事の橋本大二郎だ。橋本は鳩山とは学習院の初等科の同級生という共通点もある。夫人とは、NHKの福岡放送局に勤務していたときに知り合った。夫人は死別して、子持ちの未亡人だった。
●スポーツ界、芸能界にも事例多数野球界では巨人の原辰徳監督が初婚で、再婚の明子夫人と結婚している。
芸能界では「2時間ドラマの帝王」と呼ばれている、俳優の船越英一郎が「夫初婚、妻再婚」の代表格である。
「夫初婚、妻再婚」の例を見てみると、このカップルには夫を成功させる秘密が多くあるような気がする。妻が年上の場合が多く、連れ子のある場合も少なくない。
夫婦のきずなが他の人たちより強くなり、周囲からの冷たい目を払拭させるために、夫を成功させる強い意志を2人は持つことになるのではないだろうか。また、一般的な常識にとらわれず、広い視野から物事を見ることができ、大胆な発想や実行力があるのかもしれない。
才能ある息子さんを持っている親御さんは、年上で再婚で連れ子のある女性と結婚したいと彼が言ってきても、一概に反対せずに、しっかりと相手の女性を見ていただきたい。その女性は、息子さんを成功させる天使かもしれない。
(文=山田修)