しかし、ASKA容疑者は「私は今まで覚せい剤を所持したことはありません」と容疑を否認し、「覚せい剤ではなく、(合法の)アンナカだと思っていた」と供述しているという。また、同じく逮捕された栩内容疑者も「ASKAから『アンナカ』と聞いていた」と供述しているとも報じられている。アンナカとは、安息香酸ナトリウムカフェインの通称で、眠気や疲労感を抑えたり、頭痛を緩和したりする薬品である。
逮捕を受け、相方のCHAGEは公式サイトを通じてコメントを発表。「突然のことで頭の整理がつかない」と困惑しながらも、「ファンの皆様、関係者の皆様には、ご心配ご迷惑をお掛けしたことを心からお詫び申し上げます」と謝罪した。また、所属事務所は、CHAGE and ASKAの音楽、映像、関連商品の販売を中止することを発表。さらに、かつて契約していたレコード会社ユニバーサルミュージックも、全タイトルの出荷停止や契約上可能なものを回収すると発表した。
これだけの大騒動の中、マスコミ各社が血眼になって調べていたのが、栩内容疑者の素性だ。高級住宅地である南青山にある、家賃が13万円とも20万円ともいわれるマンションに住み、自宅近くの飲食店では他の男性芸能人と一緒に食事をしている姿が目撃されていたからだ。
5月22日発売の「週刊新潮」(新潮社/5月29日号)、「週刊文春」(文藝春秋/同)の両誌も、栩内容疑者の素性について詳しく報じている。
栩内容疑者は、人材派遣大手パソナグループのグループ会社に勤務後、同グループの南部靖之代表に気に入られた。
両誌とも今回の件について、南部代表やパソナグループにコメントを求めているが「回答できない」との答えだったという。
昨年8月に、いち早くASKA容疑者の薬物使用疑惑を報じていた「文春」は、22日発売の同誌でASKA容疑者の長男が小学校5年生の頃からお父さんの部屋にパイプがたくさんあり、変な臭いがすると語っていたことや、長男の家庭教師が「一緒にやらないか」とASKA容疑者から誘われたという話を掲載している。また、ASKA容疑者の運転手だった人物が、その後、同じく今年3月に薬物使用疑惑を同誌に報じられた元プロ野球選手・清原和博の運転手として雇われていたため、ASKA容疑者の逮捕を受け、清原も不安がっていると報じている。
一方の「新潮」は、ASKA容疑者は約18年前、新宿・曙橋にあるニューハーフクラブで働いていたニューハーフと交際していた頃から、覚せい剤を使用していたとの情報を掲載している。
ASKA容疑者の今後について、当サイトの記事『ASKA容疑者、今後の取り調べ、裁判、量刑は?年内に執行猶予付き懲役判決の可能性も』(http://biz-journal.jp/2014/05/post_4898.html)によれば、ASKA容疑者はもし有罪であれば、初犯のため「懲役1年6カ月、執行猶予3年判決」の判決が量刑の相場だといい、捜査は今後、覚せい剤の入手先の特定などに移るとみられている。ASKA容疑者と栩内容疑者が出会ったというパーティーは、政財界の要人も出入りしていたというから、今後、捜査のメスがどこまで広がるか注目していきたい。また、栩内容疑者は、南部代表のお気に入りとして社内では特権的な立場にあったというから、南部代表がどのようなコメントを発表するか注目だ。
(文=本多カツヒロ)