「ダイソー」「セリア」という100円ショップ業界を牽引する人気ブランドに肩を並べているのが「キャンドゥ」だ。多数のアイデアグッズを販売しており、100円ショップ戦国時代のトップの座を狙っている。

 設立は1993年で、業界では後進ながらも、創業翌年には早々とフランチャイズビジネスをスタート。着実にシェアを広げていき、創業20周年を迎えた2013年には、店舗やブランドのロゴを一新。白とオレンジをベースとした、モダンな雰囲気に生まれ変わった。

 今年の6月末時点で1027店舗を数えており、堅実かつ高品質な品揃えで人気を呼ぶ一方で、315円、525円と価格帯の違う商品も数多く取り揃えている。さらに、数十個単位でのネット注文が可能など、他のブランドにはない差別化にも尽力しているのだ。

 そんなキャンドゥだが、なかには「108円といえど、これは損したかも……」と後悔してしまう残念グッズがあることも事実。今回は「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」の独自調査により、キャンドゥの「この夏、買ってはいけない残念グッズ」を5つ選出したので、今後の買い物にぜひとも役立ててほしい。

ウィズバッグ(黒)/108円(税込、以下同)

 夏の日のちょっとした買い物シーンに、薄手の素材で丈夫なバッグがあると便利だが、キャンドゥのウィズバッグは少し考えものだ。108円という安さを踏まえると、一概にダメとはいいがたいのだが、残念ポイントはいくつも挙げられてしまう。

 まずは、エルメスのトートバッグを連想させるようなデザインになっていること。なまじ似ている分、チープさが目立ってしまうのは確実だろう。

 さらに気になるのが耐久性だ。

エルメスよろしく、持ち手をバッグの外側に縫いつけているのだが、そのステッチが心もとないため、使っていて不安に駆られる。持ち手部分もペラペラで、変な折りグセがついてしまうと容易には直らないというのも難点だろう。

インテリアシート板壁風ホワイト/108円

 夏の模様替えとして、壁紙を新調したくなる場面もあるだろう。100円ショップの壁紙は安価なのでついつい手に取ってしまうが、“安物買いの銭失い”に陥るケースが多く、このアイテムもその例のひとつなのだ。

 板壁風のプリントはリアルで、100円ショップの商品としては高クオリティな部類に入る。しかし、その壁紙の薄さは間違いなく減点ポイント。薄すぎるせいで下地が透けてしまうため、色の濃い下地の場合は、かなり厳しい仕上がりになるはずだ。

 また、商品を包装した際に丸めたクセがかなり残っており、いざ貼りつけようとしたときに気を抜くとすぐに再び丸まってしまい、粘着面がくっつきかねない。しかも、その粘着力がなかなか強いので、一度貼るのに失敗すると、厄介なことになるだろう。

携帯トイレ/108円

 お盆シーズンの帰省ラッシュ。高速道路で果てしない大渋滞に巻き込まれ、いつまで経ってもパーキングエリアにたどり着けない……なんてシチュエーションも訪れるかもしれない。特に、子どもがいる場合のトイレ事情は深刻だ。

 こんなときにキャンドゥの「携帯トイレ」が活躍するものかと思いきや、実物を購入したユーザーからは、車の中で子どもが使ったら、シャーッと下に漏れてしまって大変だった……なんて報告も上がっている。携帯トイレなのに、その下にビニール袋を敷かなければ安心して利用できないというのは、もはや商品としての役目を果たせていないのではないか。

 なぜこんな現象が起こるのかというと、この商品は袋の中に入っている砂状の尿凝固剤の吸水速度が遅く、おしっこを出している速度がそれを上回ってしまうことがあるかららしい。トイレの危機を救ってくれるはずのアイテムが、さらなる危機を呼んでしまうようでは元も子もないだろう。

スティックのり/108円

 夏休みには、子どもの工作の宿題などが立て込みがち。安価で何本も買うことができる100円ショップのスティックのりは、思わず手が伸びそうになる商品だが、購入前に冷静になってほしい。

 実をいうと100円ショップの文房具は、まさしく“安物買いの銭失い”の典型的なジャンルとして悪名高いのだ。キャンドゥの「スティックのり」も例に漏れず、たとえ108円でも、避けるのが賢明だといわざるを得ない。

 このスティックのりは、とにもかくにも粘着力の弱さがネック。「買うべき・買ってはいけない調査班」でも検証してみたが、有名ブランドののりは塗布後すぐにくっつくのに対し、こちらは結構な時間を要してしまった。何度か貼り直しているうちにのりの塗布量も増えてしまったし、結果的には、最初から有名ブランドののりを買ったほうがコスパがよさそうである。

シンクにピタッ! 貼りつくスポンジ キッチン用/108円

 夏バテでダルくなりがちなこの季節。

100円ショップには、毎日の洗い物を手助けしてくれる便利グッズがあふれているが、キャンドゥの「貼りつくスポンジ」は、あまり役立ちそうにない。

 この商品の触れ込みは、シンクにそのまま貼りつけることでスポンジ受けのスペースを節約できる……というものだが、実際のところ、そう簡単には貼りついてくれないのだ。本体のスポンジの片面が粘着質になっており、その本体ごと洗剤で泡立て、油汚れなどを落とすという仕組みになっているため、くっつかなくても当然だといえる。シンク側が濡れていると余計に貼りつきにくくなるし、買い控えたほうが無難な商品だろう。

 キャンドゥのサマーアイテムは、暑さ対策として実用的な商品がたくさん揃っているが、なかには今回紹介してきたように、使い勝手がイマイチなものもいくつか紛れ込んでいる。こうした残念グッズはちゃんとスルーし、買って得する商品だけを手に入れ、快適な夏を過ごしてほしい。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

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