100円ショップ業界の最大手「ダイソー」。低価格かつ高品質なプチプラ商品や、コンビニなどでは入手しづらい生活用品を豊富に取り揃えており、今なお衰えぬ人気を誇っている庶民の強い味方だ。
大創産業が運営するダイソーは1990年代初頭、バブル景気が終わった世の中の節約ニーズにマッチし、大ブームとなった。今年3月時点で国内に3367店舗、国外でも28の国・地域に2175店舗を展開するなど、その規模はいまだ拡大を続けている。
今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では、ダイソーの夏向け商品を独自にリサーチ。日差し照りつける今年の夏に活躍してくれるかと思いきや、購入者の期待を裏切りかねない残念アイテムを5つ選出した。これを読んで、夏の賢い買い物に役立ててほしい。
吊り下げ式 蚊とり線香ケース/216円(税込、以下同)暑い季節は、気心の知れた仲間とバーベキューやキャンプなどのアウトドアレジャーを楽しむのにうってつけだ。しかし、野外には“蚊”という厄介者がいるので、蚊取り線香に頼りたくなることだろう。
適度な刺激で、人間の身体にも比較的やさしい蚊取り線香だが、その難点は、効果の及ぶ範囲があまり広くないところ。そこでダイソーの「吊り下げ式 蚊とり線香ケース」を使えば、より蚊取り線香を有効活用できそうなものだが、この商品、残念なことに困ったポイントが多いのだ。
まず、容器がすぐに熱くなってしまうため、アウトドアシーンでズボンやリュックに吊り下げられるとはいえども、肌に触れればやけどの危険性がある。また、落下防止のネットがついているものの、線香が燃焼したあとの灰までは防げないので、衣服が汚れがちなのも欠点だ。
置くだけ簡単 コバエがとれちゃう!!/108円夏に虫に悩まされるのは、何もアウトドアシーンだけではない。
だが、ダイソーの「置くだけ簡単 コバエがとれちゃう!!」はその強気なネーミングに反して、ネット上では「ほとんどコバエが取れなかった」という使用体験談が報告されているのだ。これではまさに、“安物買いの銭失い”ということわざが示すとおりではないだろうか。
また、パッケージには約1カ月もつと記載されているが、実際には1週間ほどで薬剤が切れてしまうこともあるという。ここは素直に、大手メーカーのコバエ取りを選んでおいたほうがベターだろう。
ドリンク類全般/108円100円ショップで買い物をしていると目立つのが、お菓子やドリンク類といった食品系の商品だ。日用品や便利グッズの買い物ついでに、思わず手に取ってしまうことも多いだろう。特に、蒸し暑い今年の夏は、冷たいドリンク類に手が伸びがちだ。
100円ショップのドリンク類は、コンビニや自販機で買うより安価なので、つい惹かれてしまう気持ちはわかる。しかし、100円ショップで買うのが賢明かというと、決してそうとは言い切れないのも事実だ。
なぜならこうしたドリンク類は、スーパーや「ドン・キホーテ」などの量販店、ドラッグストアなどに行けば、100円を切る低価格で購入できるものがたくさんある。
7月が終わりにさしかかると、子どものいる家庭では夏休みシーズンに突入するはず。仲良しの友だちを引き連れて、自宅でお菓子を食べながら休みを満喫している子どもたちをよそに、その片付けに追われる保護者はひと苦労だろう。
そんなときに活躍するアイデア商品のひとつに、ハンディシーラーというものがある。これは食べかけのスナック菓子の袋などを熱で密閉し、しけることなく保存できる優れもので、メーカー製だと300円ほどするが、100円ショップなら108円で手に入るのだ。
しかしダイソーの「イージーシーラー」は、性能面でかなり劣ると言わざるを得ない。というのも、メーカー製品が30秒程度で密閉できるのに対し、100円ショップ製品は1分半近くかかるという声が上がっているからだ。そこまで差が出てしまうなら、300円のメーカー製品を買ったほうがコスパはいいだろう。
メンズ腕時計(キャンバスバンド)/540円100円ショップの腕時計はここ最近進化を遂げており、有名ブランドのタイメックス風や、ダニエルウェリントン風のオシャレなものまでラインナップされているのが現状だ。
ダイソーの「メンズ腕時計」には日常生活防水機能がついており、海や川に出かけて涼を取りたくなるサマーシーズンにもってこいといえそうなのだが、「買うべき・買ってはいけない調査班」としてはおすすめできない商品である。
まず、亜鉛合金製の本体は、妙にマットな塗装のせいで、チープなプラスチックに見えかねない。しかもベルトの留め金部分のカッティングが甘く、腕につけていると、だんだん擦れて痛くなってしまうのだ。
ダイソーの夏商品は年々、品揃えの良さやそのクオリティが高まっている。しかしその影で、イマイチな商品が紛れ込んでしまっているのも確かだ。今年の夏は、ぜひこの記事を参考にして、買い物で損をする機会を少しでも減らしてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)