20日に重度の肺炎で入院し、その後、新型コロナウイルス感染の検査で陽性が確認されていたタレントの志村けんさんが死去し、親交があった多くの芸能人がお悔やみのコメントを出している。

 31日朝放送のテレビ各局の情報番組も志村さんの出演VTRと共に追悼特集を組んだなか、志村さんがザ・ドリフターズのリーダー、いかりや長介さんの付き人をしていた1969年から約50年来の親交がある歌手の由紀さおりさんが『とくダネ!』(フジテレビ系)に出演し、志村さんとの思い出を語った。

 由紀さんは、志村さんとの最後の対面となったフジテレビの廊下で「久し振りね。また私を斬ってちょうだいよ」と話しかけると、志村さんは照れくさそうに笑ったといい、「お笑いになっていた笑い顔が、私にとっては、もう最後になっちゃんたんだなーって」と振り返った。

 また、志村さんと由紀さんといえば、長寿特番『志村けんのバカ殿様』(フジ系)などで由紀さんが演じる「腰元」が年齢を詐称して、志村さん演じる家老に斬られるコントが有名だが、由紀さんは「どういう振る舞いになってもね、彼がやんちゃすればするほど、(同じコントで志村さんの前に家老役を務めていた)いかりやさんとのコントラストがすごく際立ってですね」と明かした。

 この日の『とくダネ!』内で由紀さんは、時折笑顔を交えながら穏やかに志村さんとの思い出を振り返ったが、インターネット上では改めて2人のコントを懐かしむ声が続出している。

「志村けん × 由紀さおり コントもおもしろかったのよね 組み合わせがほぼ無限で爆笑」(原文ママ、以下同)

「また、由紀さんと、志村けんのやりとりを見たかったな」

「由紀さんのおっとりした演技と志村さんのキレっぷりが相反しててこれが面白いんだよね」

「バカ殿の前身になったコントで志村けんとの掛け合い『15にございます』面白かったなー」

「個人的に志村けんとコントでスウィングしまくってたタレントベスト3は由紀さおり、研ナオコ、柄本明やな」

柄本明さんとの芸者コント

 志村さんといえば、『バカ殿』や『ドリフの大爆笑』(フジ系)で歌手や俳優などお笑いタレント以外とコントで共演することも多かったが、今回の訃報を受け、俳優の柄本明さんとの“芸者コント”を思い出す声も多数あがっているようだ。

「志村けんと柄本明の芸者コントも好きだったなー」

「2人の性格悪い芸者のコントがまた見たかった…」

「このコント好きだったな~久々に観たのに、変わらず笑えた。ほとんどアドリブだったってホントかな?すごく残念」

「志村けんと柄本明の、芸妓のコント、子供の頃はあまりわからなかったけど、なんだかすごいものを見せられてるのだろうと、漠然と感じるものはあった」

「めちゃくちゃ腹抱えて笑った思い出 あと、ひとみばあさん(ひぃちゃん)」

「柄本明さんとのアレは何時間でも観てられる! 亡くなった直後なのに皆を 笑わせてる志村 やっぱすごいよ!」

「志村けんと言えば、柄本明氏との芸者コントが好きで好きでたまにyoutubeで見返したの思い出して、夜中にふっと目覚めた際に布団の中で見て笑ってしまった」

 こうした声について、テレビ局関係者は語る。

「お笑い芸人以外の歌手や俳優、文化人などとコントでからむといえば、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジ系)の印象が強いですが、その手法をメジャーにさせた走りはドリフターズの『8時だよ全員集合』、そして『ドリフの大爆笑』『バカ殿』でしょう。特に志村は、そういう畑違いのジャンルの人たちのキャラクターを引き出して笑いを生み出す才能に長けていました。その手法は、現在のバラエティ番組にも引き継がれています」

 志村さんのご冥福をお祈りしたい。

(文=編集部)

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