「百貨店1つ」は14県もある

 大都市圏では百貨店各社の主力店舗がなお高い競争力を保っているが、地方では大型ショッピングセンターやインターネット通販に客を奪われた。地方の百貨店は大都市の百貨店のようなインバウンドの恩恵も少なかった。

 1980年代後半まで、地方自治体の多くが百貨店や大型スーパーなどの大型店舗の誘致で地域経済の活性化を図ろうとしてきた。再開発事業の誘致に応じて店舗網を全国に拡大したのが、そごうだった。2000年、そごうが経営破綻。その後、坂道を転げ落ちるように地方に立地する百貨店は勢いを失っていった。

 地方経済の衰退は人口流出などが主な原因だが、中心市街地の商店街の空洞化が進んだ側面もある。どの地方都市でもシャッター商店街が悩みの種だ。百貨店頼みのまちづくりは限界に近づいている。その典型例が、そごう徳島店の閉鎖といっても過言ではない。

 百貨店の衰退が叫ばれて久しいが、それでも47都道府県の県庁所在地には例外なく百貨店は存在していた。今年に入って山形県、徳島県と「百貨店空白県」が相次いで出現した。コロナで大打撃を受けた地方百貨店の回復は厳しい。

「百貨店は1つ」という14都道府県は以下のとおり。

茨城県(水戸京成百貨店)、山梨県(岡島)、岐阜県(岐阜高島屋)、富山県(大和富山店)、和歌山県(近鉄百貨店和歌山店)、福井県(そごう・西武 西武福井店)、島根県(一畑百貨店)、香川県(高松三越)、高知県(高知大丸)、佐賀県(佐賀玉屋)、熊本県(鶴屋百貨店)、宮崎県(宮崎山形屋)、鹿児島県(山形屋)、沖縄県(リウボウインダストリー)

 これらの県が“百貨店ゼロ県”予備軍となるが、和歌山県が次の百貨店空白県になるとの見方がある。

(文=編集部)