2023年にメンバーが脱退することが決定している人気ジャニーズグループ・King&Prince(以下、キンプリ)。同年5月に平野紫耀、神宮寺勇太がグループを抜けると同時にジャニーズ事務所からも離れ、彼らと同じタイミングで脱退する岸優太も秋には退所。
このことは、滝沢秀明氏のジャニーズ離脱で業界内外に衝撃が走っていたなかで発表され、さらなる激震をもたらした。滝沢氏は、10月31日付で事務所副社長およびジャニーズアイランド社長を退任。これが11月1日に公表された直後、同月4日にキンプリの分裂が明らかになり、「ジャニーズ史に残る大騒動に発展した」(スポーツ紙記者)のだった。
分裂については、キンプリの公式ファンクラブで公開された動画内で、5人揃って発表。脱退と退所を決めた3人からは、今後、海外での活動を見据えているという話があった。一方、残留組の高橋は「ずっとこの5人で頑張っていくと思っていたので、正直寂しいですしつらいです」と吐露しつつ、「廉と2人でKing&Princeを守っていくことこそがジャニーさん(ジャニー喜多川元社長/2019年7月に死去)、そして支えてくださる皆さまへの恩返しだと思っています」と表明。続けて「僕たち2人だけではKing&Princeを守っていくことはできません。ファンの皆さま、そして今まで出会って支えてくれたすべての皆さま、僕たちと一緒にKing&Princeを守ってください」と、呼びかけていた。
そんな永瀬は、11月10日のラジオ番組『レコメン!』(文化放送)内「King&Prince 永瀬廉のRadio GARDEN」で、事前に録音されたものではあったが、キンプリ分裂についての思いを独白。脱退&退所組の3人の決断に理解を示しながらも「いろいろつらい」と、涙声で語っていた。
「キンプリ分裂の発表後、ネット上のファンは大パニックに陥っていましたが、永瀬のコメントに共感を覚え、いくらか落ち着きを取り戻したという声も散見されました。悲しい気持ちは拭いきれていないものの『とりあえず最後まで5人を応援する!』と前を向くファンも。ただ、ポジティブな気持ちが暴走気味になって『5人じゃなくなることを阻止したい』『脱退や退所を撤回してもらうために署名運動をしよう』とする層がいたり、それを諫める意見があったりと、ファンの間でもさまざまな思いが錯綜。また、キンプリの分裂はジュリー社長のせいであるという認識を持つファンも多いようです」(前出・記者)
11月10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、ジュリー社長がキンプリメンバーに冷たくあたっていたと報道。事務所サイドは「事実と全く異なる虚偽の内容を多々含む記事」であるとして「法的措置」を検討しているという警告を出したが、ネット上のファンはもともと「事務所がキンプリの海外進出を許さなかったから脱退メンバーが出てしまった」と批判していたため、今でも「ジュリーさんがメンバーを追い出した」「ジュリーさんにさえ気に入られてたらグループごと推してもらえたのに」といった声は多い。
現在、ジュリー氏の「お気に入り」グループといえば、なにわ男子。これはよく知られていることなので、なにわ男子の活躍に複雑な思いを抱いてしまうキンプリファンもいるようだ。
「ジュリー社長が永瀬をゴリ押ししている」しかし今、一部キンプリファンの間で「ジュリー社長が永瀬をゴリ押ししている」「永瀬がジュリー社長のオキニ入りした」という見方も広がりつつある。
11月5日にニュースサイト「文春オンライン」で配信されていた記事では、関ジャニ∞・大倉忠義や関西ジャニーズJr.内ユニット・Aぇ! groupの正門良規のツテで永瀬がジュリー社長と食事に行っていたこと、それにより今年7月期の連続ドラマ『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(日本テレビ系)の主演を任された可能性があることを報じていた。記事にはそのほか、ダンスに対してストイックすぎる平野に対し、永瀬が「ついていけない」とこぼしていた……という記述もあった。
「つまり、海外を目指す平野らと永瀬の気持ちには大なり小なりズレがあり、しかもジュリー社長に気に入られていたこともあって事務所残留を選んだのではないか、だからキンプリは分裂してしまったのではないか……というふうに考えるファンがいるわけです。ファンは『5人で一緒に活動するキンプリ』を守りたい思いが強く、メンバー全員で事務所を辞めるならここまで騒がなかったとみられます。
なお、キンプリ分裂発表の動画では、5人が左から順に神宮寺、高橋、永瀬、平野、岸という並びで立っていた。この時点で永瀬がセンターに立っていたことにも、ショックを受けていたファンは少なくなかった。それまでのキンプリはリーダーの岸、もしくは平野が真ん中に立つことが多かったのだが、いきなり永瀬センターに変わったからだ。
この件については、脱退や退所が決まったメンバーを中心に話をするのも変なので、残留する永瀬がセンターに立つのは道理にかなっているだろう。ただ、一部ジャニーズファンからは「SMAPの時と同じだ」という指摘が寄せられていた。
「キンプリにとって事務所の先輩グループにあたるSMAPは、16年12月をもって解散。報道では当初、メンバーの中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が5人揃って独立する予定だったが、木村だけがジャニーズに残留すると翻意した……などと伝えられていました。そんななか、16年1月放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で5人が騒動についてコメントを出した際、センターに立ったのは木村で、ファンは『こういう時はリーダーの中居くんがセンターじゃないの?』と大騒ぎ。ちなみに、木村は妻・工藤静香とともにジュリーさんやその母・メリーさん(メリー喜多川元副社長/21年8月に死去)と親しくしてきたことも知られています」(週刊誌記者)
そう考えると、たしかにSMAP騒動時の木村と、キンプリ騒動渦中の永瀬のポジションは似ている。とはいえ、SMAPの時も「木村くんじゃなくてメリーさんのせい」という声が上がっていたように、永瀬に関しても「廉くんは何も悪くない! 悪いのはジュリーさん!」といった声が多い。永瀬がジュリー社長と食事をしていたとする報道については、「廉くんは5人で活動を続けられるようにジュリーさんや事務所との仲介をしたかったのでは」と想像するファンも。
しかし、ジュリー社長に対する不信感が消えないうちは、永瀬がプッシュされればされるほど、ファンは複雑かもしれない。11月28日には、永瀬が広瀬すずの相手役を務める連ドラ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)の情報が解禁されたが、ネット上には「これもジュリーさんと食事してゲットした仕事?」「廉くんのドラマ応援してあげたいけど、 ジュリーさんの思い通りになるのは嫌」という書き込みもみられた。
「3人の退所の理由は、事務所にいても海外進出という目標が叶えられないと確信したという点に尽きる。分裂の責任を永瀬にだけ求めるのは無理がある。キンプリとジャニーさんの共通した目標は『世界で通用するグループになる』というものだったが、3年前にジャニーさんが亡くなり、キンプリはグループとしても各メンバーソロでもあまりに早く『成功し過ぎてしまった』たため、国内での活動をセーブしてまで海外進出に挑むということが難しくなった。
もちろん事務所も、もっと海外進出に向けた取り組みに時間を割きたいというメンバーたちの意向をまったく無視していたわけではないが、先の先までどんどん国内の仕事が入ってしまう状況にメンバーたちが不満を抱くようになった。特に平野は熱心の英語の勉強にも励んでいたので、ひときわそういう思いを強めていったのかもしれない。
また、デビュー直後から『売れ過ぎた』ため、テレビや映画、音楽活動と途切れることなく休みなく働いて燃え尽き症候群に近い状況に陥ったという話も聞こえてくるが、いずれにしても、メンバー間、そしてグループと事務所の間でもはや埋められないほどの溝ができてしまったということだろう」(テレビ局関係者)
永瀬と高橋はキンプリを継続させることにした以上、少しでも多くの仕事をしてKing&Princeの名前を世に届けたいだろうが、活躍の背景にジュリー社長の影がちらつく状態は良くなさそう。とりあえず、事務所側は「永瀬だけゴリ押し」というイメージを払しょくすべきかもしれない。
(文=Business Journal編集部)