元祖清純派女優・田中麗奈の“豹変ぶり”が話題を呼んでいる。田中といえば、10代の頃に出演した清涼飲料水「なっちゃん!」(現サントリー食品インターナショナル)のCMでみせたあどけない演技で一躍人気を集め、以降、主に清純な役を中心に映画やテレビドラマなどで活躍を続けてきた。



 そんな田中が、今クール(1~3月期)の連続テレビドラマ『美しき罠~残花撩乱~』(TBS系)に主演。同ドラマは田中が演じる34歳の地味なOL・西田りかが、3年にも及び不倫関係にあった会社の常務・柏木壮太(村上弘明)からある日突然別れを告げられるところから始まる。2人の離別を画策したのが壮太の妻・柏木美津子(若村麻由美)だと知ったりかが、復讐のために美津子が心の支えにする青年実業家・落合圭一(青柳翔)を美津子から奪おうとし、4人のドロドロの恋愛劇が展開されるという設定だ。

 田中にとってはこれまでの出演作品とは一線を画し“大人の悪女”を演じているわけだが、8日に放送された第1話内では村上とのベッドシーンや際どいセリフなどもこなし、一部インターネット上では「なっちゃん、大人になったな…」「こんななっちゃん、ヤバすぎる」「地味なのにエロい」などと話題を呼んでいる。田中と同じ30代男性が語る。

「正直ストーリー自体は(昨年放送されたドラマ)『昼顔』(フジテレビ系)の焼き直しで、最近増えている不倫モノ人気に便乗しているような印象です。しかし、いつもとキャラクターの違う役を演じる田中に引き込まれました。特にベッドシーンで大きく背中を露出しながら村上に抱かれるシーンにはハッとしました。また、30歳をすぎて少し日常に疲れ不倫に落ちている田中も、妙に魅力的です。田中観たさに最終回まで観てしまいそうです」

●広がる女優の幅

 同様に同じく30代男性も、田中の魅力をこう語る。

「不倫仲の壮太の自宅に招かれ、壮太夫妻の仲の良い様子に我慢できずトイレで泣くシーンが印象的でした。ほかにも、突然別れを告げられ動揺した田中が、壮太のためにつくっておいたおでんの鍋を台所にひっくり返して泣き崩れるシーンは、胸が痛みました。
おでんというのが田中の役とマッチして、地味というか切なくていいですよね」

 こうした田中の新たな境地について、映画業界関係者は次のように解説する。

「田中は映画主演デビュー作『がんばっていきまっしょい』(磯村一路監督)、『はつ恋』(篠原哲雄監督)などをはじめデビュー当時から一貫して“キレイ役”を演じ、イメージを守るためかテレビドラマよりも映画の出演を優先しているようにみえる時期もありました。そんなイメージががらりと変わったのが、12年公開の映画『夢売るふたり』(監督:西川美和)です。同映画内で田中は疲れたアラサーOLが結婚詐欺に騙される役を演じ、その“大人な女性”の演技が映画界で話題を呼びました。この映画がきっかけとなり、以降の出演作品では女優の幅を広げているといえます」

 第1話の平均視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と苦しいスタートとなった『美しき罠』。今後“なっちゃん効果”で視聴率上昇なるか、期待したい。
(文=編集部)

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